祝 レッドリスト改訂 ゼニガタアザラシとトドの格下げ

Date: Tue, 28 Aug 2012 13:09:46 +0900
皆様
今朝のニュースで、レッドリスト改訂(ニホンカワウソが絶滅種に)が話題になっていました。先程、環境省サイトを確認しました。
 トド が VUからNT に、ゼニガタアザラシ が ENからVUに なっていました。私としては、おおむね、妥当な判断だと思います。
 格下げは保護活動が効果を上げた結果です。格下げされたら保護されなくなると心配するかたもいるかもしれませんが、NTになったからと言って、すぐに保護措置が止まるものではありません。トドの場合、PBR(潜在的生物学的除去数)の算出にあたり、すでに昨年から回復係数を1にしていました(VUなら0.5、EN/CRなら0.1で、その分だけ採捕枠を減らす)。【】PBRだけ採っていれば(計算が合っていれば)減ることはありません。絶滅の恐れが減ったならば、エゾシカのように目標個体数を定めて増えすぎも減りすぎも避けるような管理もあり得るかもしれません。すでに、ゼニガタアザラシについては、そのような検討を【】始めているとも言えるでしょう。ただし、所轄官庁が【トドとアザラシで】いつまでも違うままでよいのでしょうか。
 保護から管理へと頭と社会の切り替えが進むには時間がかかります。ニホンジカがその典型例です。
 ゼニガタアザラシも格下げになりましたが、依然としてVUであり、希少野生動物であることに変わりはなく、試験捕獲などを進めるとしても、今年度の政策に変わりはないと思います。
 問題は、トド(日本に来遊する個体群)のランクが、IUCNでは依然としてENであるということです。 上記サイトの情報は2005年までの動向で、少し古いですね。
 米国では、レッドリストから格下げになると、保護団体がお祝いをしていました【1994年Peregrine Fund(Idoho州)への視察】。我々も、新たな抱負を明示するとともに、お祝いをすべきかもしれません。