アオギス問題(その2)

2005-04-06 に記した東京湾アオギス放流問題だが、いろいろな評価があるのに驚いた。
保全生態学者の多くは、アオギス放流に批判的だ。私の態度にも、委員会で明確に反対しなかったという批判も寄せられた。
けれども、逆の評価もある。ある著名な保全生態学者は、漁業資源でもない種を水産庁が取り上げることを高く評価していた。今回のアオギス祭りが深刻な悪影響を生むようなものだったとは思えないという。多少はいいかげんなところはあっても、社会がせっかく意識を高めつつあるときに、科学的な厳密さだけにこだわって細かな論証を要求し続けると、好ましい動きに冷や水を浴びせることになりかねないと言っていた。私の委員会でとった態度も、科学的に好ましくないところもあるが、この機会に盛り上げるのはよいことといったことと共通している。絶滅をきちんと確認していないなど、間違いが起きるリスクを避ける万全の態度とはいえないが、そこは我々委員が責任を引き取って進めればよいといった私にとっては、わが意を得たりという感想だった。
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