学部と研究室の選び方:卒業研究がたいせつ

Subject: Re: [jeconet:9114] Re: 動物生態学保全生物学について学べる大学
Date: Mon, 23 May 2005 09:57:59 +0900
皆さん
 Internet情報を信じるなと言うことと,調べるなと言うことは違います。学術論文だって、研究者なら自分で妥当性を判断するはずです。認証制度のない情報であるのと何かしらの認証制度があるものの差は大きいですが,調べることは重要だと私は思います。その後で、様々に尋ねてみて,訪ねても見て、自分でも判断してみればよいでしょう。ほとんどの大学院で、訪問を奨励していると思います。
 問題は学部です。学部の頃は広く学べというご意見ですが,私は必ずしもそうは思いません。卒業論文(卒業研究)は、昔の教養課程のリポートではだめです。しっかり、一芸を極めるものを手がけるべきだと思います。その意味では、「環境」は焦点を絞りにくい学問かもしれません(やり方によるでしょうが)。将来環境を志す学生だからといって,学部の頃から環境を冠したところに進むべきだとは私は思いません。
 私は現在では学部を担当していませんが、過去の卒業研究をネット上で公表してはいかがですか?(せめて課題と要旨と成果を)私が九大にいた頃は,卒業研究の成果を英語の原著論文にするようにしていました。私なら、まず、そのような研究室を勧めます。
 学部で環境を冠していても,期待したような教育を受けられなかったと言う苦情はよく聞きます。大学院入試では看板より中身を判断する責任が受験者にもあると思いますが,学部入試(高校生)では,難しいでしょう。
 私は,自分の大学院に進学を希望する学部生に対しては、たとえ文科系の学生でも,卒論に力を入れろと助言しています。卒論より、進学後の学問を準備せよとは言いません。まず、「学問すること」を身に着けることが大切です。これができない学部が増えていることは、私には残念です。労働人口が減っているのに、なぜ昔より教育に年月をかけるのでしょうか。