水産学会が政策を取り扱うことについて

Date: Fri, 4 Jul 2008 07:32:05 +0900
 よくわからないのですが、水産政策を研究分野として行うには、その専門家が必要です。私は政治学の専門家ではありません。(政治学者Robert Axelrodの著書を翻訳したことはありますが)
 確か以前の水産学会シンポジウムで、編集委員に社会科学系(当時は経済学が話題で、政治学ではなかったと思います)はいないけど、校閲者に加えることはできるので、門前払い(校閲にまわさない)にはしないという議論があったと思います。

Date: Fri, 4 Jul 2008 21:48:09 +0900
 どうもよくわからないのですが・・・
 私は下記のように考えています。あるいは、私は【人文社会】科学というものを根本的に誤解しているのかもしれませんが・・・
 自然科学者のよくある誤解の一つに、行政担当者がみな行政学や法学の専門家だという誤解です。そんなことはありません。
 研究者は「象牙の塔」(死語か?)に留まらず、政策提言や社会活動の実践の場にでてもよい(「出ねばならない」とは私は言いません)という意見に共感します。しかし、その実践はそれ自体が学問ではありません。それを研究対象とすることは可能ですが、それには専門的スキルが必要であり、それは実践のスキルとは当然ながら異なります。
 学会が広報媒体をもって会員の政策提言を掲載できる場を設けてもよいというのは一つの見解です。しかし、それと、その提言を研究論文として扱えというのは当然異なります。
 私は生態学会としての「保全生態学研究」誌の初代編集委員長でしたが、この区別をつけるのに苦労しました。この学問自体を否定する意見さえ学会内にあり、他方、実践と科学の区別がついていないと私が感じる論文も多々寄せられました。