横浜国立大学 都市科学部 環境リスク共生学科の概要

松田らが所属している横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科 暫定版リーフレットができました。
地球生態EP*1は、来年度新設される都市科学部環境リスク共生学科に移行します。その内容を私なりに紹介します。(9/4学科説明はこちらにもあります)
下記の横浜国立大学公式サイトの学科内容に、用語などを私なりに解釈したリンクを付けます。(選抜要綱大学案内以外のリンクは公式サイトにはありません。また、その内容は松田の個人見解です)

都市科学部College of Urban Sciencesの概要

  • 都市づくりとグローバル社会、イノベーション創造を担う次世代の人材を育成するため、都市科学部を設置し、本学の文理融合の蓄積をいかした教育を行います。
  • 都市科学は、都市を担う人間と支える文化、社会を対象とし、都市社会の構想と設計のために人文社会科学領域を再構成し、都市をかたちづくる建築物および都市基盤施設の計画や設計および運用、維持にかかる課題とともに、これらをとりまくすべての広い意味での自然環境、社会環境を対象に、それらにまつわるリスクとの共生*2にかかる課題を、科学的な分析を通して取り組む学問です。
  • このように定義する都市科学を学ぶ都市科学部は、未来の都市を担う人材を育成するために、21世紀そして、さらに22世紀につながる世界および国家を先導する、都市という学領域の土台を科学的に学ぶ教育組織であり、学部の教育理念のもとで、都市に関する必修の学部共通科目(基幹知科目)を設定します。

横浜国立大学 都市科学部 環境リスク共生学科の概要(入学定員56人)

  • 自然環境および社会環境のリスクに関わる基本原理を理解し、文理融合の総合的な知識により、豊かさと表裏一体で生じるリスクのバランスをマネジメントするリスク共生社会実現の知を育み、異分野との横断的な連携、社会と対話ができる素養を持ちながら、自然環境、社会環境を対象にリスクとの共生を実践し、都市の持続的発展に貢献できる実践力を有する人材を育成する。

学びの分野

  • 自然環境・社会環境に跨がる人間と自然の環境システムに関する俯瞰的な理解のもとで、複合化する現代のリスクのメカニズムと分析手法、マネジメントを学び、リスクと上手に付き合う「リスク共生」のアプローチを学ぶ。
  • リスクの基礎理論となる原理や概念史、リスクの多面性・連続性などに関する理解、リスク発生のメカニズムを理解するための社会学・経済学・化学・地学・工学等におけるリスク関連科学、GIS計量経済学、社会調査法、フィールド演習などのリスク分析の基礎となる一般的分析スキルの修得、リスク共生に向けた政策やマネジメントに関する実践的学修など、人文社会科学系の科目の履修を含め、学際的な教育を行う。

学びのシステム

  • 1年次 人間と自然の複合的な環境システムとリスクに関する基礎的理解、および、2年次以降における各専門分野の教育・研究に向けた専門基礎科目を履修する。
  • 2年次 リスクの定義や発生メカニズム、管理・マネジメントに関する基礎理論、リスク分析のための一般共通スキルおよび、自然環境・社会環境の各環境領域における諸リスクの発生メカニズムに関する科目を履修する。
  • 2年次秋学期〜3年次春学期第1タームまで、各ターム計3回の研究室体験演習科目を履修し、3年次春学期第2タームにおける研究室選択の参考とさせる。
  • 3年次 リスクのマネジメントや政策論に関する科目と、行政・企業・NPO・住民等との連携を通じた地域実習科目の履修を通じて、リスク共生に向けた実践力を養う。
  • 3年次秋学期以降、研究室に所属し、リスクの諸原理に関する知識と実践力の素養を活かしながら専門研究に取り組む。自然環境・社会環境に跨る多面的で複合的なリスク論を総合し、発展的理解を創出する機会として、各教員が専門研究を持ち合い議論するオムニバス科目を履修する。

求める学生像

  • 個別知識では対応できない複雑で多様化した環境リスクに対し、ヒトから都市、自然生態系、地球までのシステム全体を視野に入れた知識展開力を備えた人
  • 豊かさと表裏一体で生じるリスクとのバランスをマネジメントする「リスク共生」社会実現を目指し、自然環境と社会環境の各リスクを科学的にとらえる数理的思考力と、ヒト・社会と対話できる社会学的思考力を併せ持つ文理融合的素養を備えた人
  • 都市に恵みや災いをもたらす自然システムや都市や地域に潜む環境リスクを予測・評価・分析し、リスクと共生した持続的発展に貢献できる実践力を有する人

卒業後の進路

平成29年度入試については、入学者選抜要項に記載のとおりに実施いたします。平成29年度入試者選抜要項はこちら
大学案内「横浜国立大学2017」はこちら

横浜国立大学公式サイトより
このBlog作成:松田裕之 

*1:EP=教育プログラム

*2:リスク共生=グローバルCOE「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」において、ゼロリスク志向に対する概念として、複数のリスクを総合的に管理することを標榜した造語