Date: Tue, 7 Mar 2006 11:29:36 +0900
皆様(重複投稿お許しください) 横浜国大の松田裕之です
昨日、函館で水産海洋学会主催の北洋研究シンポジウム「知床世界自然遺産:氷縁生態系の保護管理と持続的漁業」http://www.jsfo.jp/sympo/sympo060306.htmlが開かれました。オホーツク海の海洋環境・生態系モデルから環境省や水産試験場による知床世界遺産の海域管理計画を巡る議論まで、広範な講演がありました。
知床世界遺産登録の際にIUCN(国際自然保護連合)からさまざまな注文がつきましたが、日本の漁業協同組合が実施している自主管理の有効性を世界にきちんと説明することが必要です。最後に牧野光琢さんが漁業制度の観点からアジアと欧米の管理制度の違いを説明し、知床世界遺産地域の自主管理漁業の実態を紹介しながら、日本の沿岸漁業の有効性と欧米から見た解決すべき課題を具体的に述べていました。また、海は隣国とつながっていますから、日露の共同管理を目指した研究交流の必要性も再確認されたと思います。
今後は、このように自然科学と社会科学の交流を踏まえた議論が、環境科学では必須のものになると思います。
直前で恐縮ですが、3月10日に下記のシンポジウムを横浜国大で開催します。持続可能な漁業に対する新たな脅威が、自由貿易体制です。この問題もまた、自然科学と社会科学の交流が不可欠な課題であり、このシンポジウムが両者が本格的な議論を行う日本で始めての場となるでしょう。多数の皆様の参加を歓迎します。飛び入りも歓迎します。
また、関東近辺の大学の方には研究室の学生への周知、ならびに関係する水試、漁業業界関係者への周知を宜しくお願い申し上げます。
■持続可能な漁業と水産物輸入自由化問題 310シンポジウム
プログラムhttp://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060310WTO.html
講演要旨集http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060310WTO.doc