Date: Sat, 20 May 2006 09:26:56 +0900 (JST)
○○さま 皆様
昨日まで、北海道エゾシカ保護管理計画の検討会がありました。一昨日の指数部会はまとめるのがたいへんでしたが、北海道東部(阿寒個体群)の2004年の個体数指数(1993年を100としたときの相対値:絶対数は不確実)を昨年過小評価していたことが明らかになり(昨年も暫定値と明記)、90±25と修正し、昨年も90±25としました。周辺地域を含めて考えれば、道東も増えているでしょう。
北海道副知事は2004年度に非常事態宣言を出しました(私は、【その前年あたりから】国有林で捕れない限り失敗を宣言すべきだと言いました)。【】この2005/06年猟期から、国有林を週末休日だけ開放しました。
昨年の北海道の牝鹿捕獲数は約43000頭で、1998年の40357頭を上回り、戦後最大になったようです。(道東だけなら4番目【】。ちなみに明治時代は雌雄別統計記録なし)
国有林を開けたことだけでなく、その効果の検証結果(速報)も報告されました。例年では1年半前の解析結果しかわかりませんので、つい2.5ヶ月前に終わったばかりの狩猟結果が(【速報値】)でるのは画期的なことです。結果を示すことが合意と国有林内狩猟定着に繋がるという北海道の研究者の強い意志を感じました。その結果、国有林周辺(5km区画)でのCPUE(捕獲数÷狩猟した人日)は2004/05猟期は東部の平均なみ【】でしたが、2005/06猟期は速報値【で上がりました】。そのうち、国有林内の捕獲と周辺(地図上は同じ5km四方の区画内)のどちらでたくさん獲れたかはわかりませんが、今まで国有林内は鹿の安全地帯でしたから、週末だけでもそれが崩れ【シカにとって安全地帯に踏み込んだ】効果は極めて大きいと期待していました。それが、数字で報告されたことは、極めて重要です(たいへんな解析努力です)。
まだ、エゾシカは増え続けていますが、【】有効利用の前進と、国有林内捕獲により、今後も牝鹿捕獲数が増え続ければ、成功するという希望が再び生まれてきました。(問題の深刻さが指摘されてから、希望が見えるまで3年かかりました)【】