天に唾を吐いたNHK

Date: Sat, 20 May 2006 15:38:17 +0900
最近、さまざまなNHKからの天下りが指摘されています。
 受信料不払いも30%に上ると言われ、支払いを義務化する動きもありましたが、見送りを提言したこともあります。5月17日付け読売新聞では「NHK改革、受信料の義務化提言…自民小委」とあり、4月21日の日刊スポーツなどの報道では竹中平蔵総務相の私的研究会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が「義務化見送り」とありましたので、今、せめぎあいの真っ最中でしょう。懇談会では「受信料の支払いを拒否するという部分でNHKのガバナンスに対する視聴者のチェックが働いている。支払いを義務化するとチェック機能が働かなくなる」など厳しい意見も出たそうです。つまり、われわれが受信料を払うという行為そのものが、NHKへの信任行動と理解されているのです。
 いずれにしても、NHK自体の天下りなどへの批判は、ますます強まっていると思います。そうした中で、NHK環境省などの随意契約率の高さを報道したことは、自らへの批判をあえて受ける態度ともいえます。まさに自分たちの受信料義務化が正念場という絶妙のタイミングで、天晴れということもできるでしょう。
 しかし、環境省の予算の大半は、調査などの発注です。これは調査内容はその能力が問われるものであり、これを競争入札に変えることが良いとは言えません。その委託費が適正に使用されたか、委託事業の成果が期待にこたえるものだったかどうかは評価すべきだと思いますが、それが直ちに、競争入札制度の導入を意味するものではありません。高くても質の高いところに委託することがあるのは、当然だと思います。
 NHKも番組制作を下請けに出すときには競争入札にしていなければ筋が通らないでしょう。そこにNHKからの天下りはいないのでしょう。しかし、はたしてそれが良いと本当に思っているのか、よくわからないですね。