将棋名人戦問題

Date: Sun, 28 May 2006 09:21:46 +0900
○○さん、○○さん c○○さん

毎日新聞(こちらは道内版)では、この本 *1の紹介に大きなスペースを割いてくれました。将棋界の毎日・朝日の戦いのなか、朝日新聞の名がでている本の宣伝をしてくれた度量に感謝です。

 私も一応将棋ファンの端くれですが、名人戦の観戦記にまでこの紛争を書いて、「このような場外の動き【に惑わされるのは残念】」と繰り返し書くのはいただけませんね。場外乱闘を名人戦に持ち込んでいるのは観戦記そのものではないか。
 今度森内名人が防衛すれば、第18世名人への最短距離は羽生でなく、森内になる。これは大事件なんです。第17世名人の資格を持つ谷川と森内現名人の死闘は、将棋ファンなら必見です。
 それ以外の毎日の態度は適切だと思います。おそらく、【朝日へ移行するという連盟提案への】将棋棋士会の支持は得られないでしょう。中原・米長の名勝負(中原の名手)を思い出させ、礼を重んじる姿勢を強調したのは正解です。
 中丸・松田「進化理論からモラルを読み解く」も礼を重んじる発想です。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/publication/06bionics.pdf
 逆に、今回の騒動では、朝日は完全に失礼でしたね。信用を落としたといえるでしょう。文化を育てることに熱心なはずの朝日が、有力棋戦を持たず、オープン戦も設立当初はタイトル防衛戦にしないことを誇っていたのにタイトル戦に変え、将棋ファンには不満の多い新聞です。(囲碁でも、なぜ名人戦を朝日に移してから第1期に出直して歴史を捨てたのか、よくわからない)

*1:デール・R・マッカロー、梶光一、山中正実編著『世界自然遺産 知床とイエローストーン』2006知床財団