不可思議なSoftbank mobileの料金形式

Softbankが買収してから、VodafoneVodafone同士の通話、メール使用料をただにするという。私はVodafone利用者だが、今までも定額制で、それを超えることはないので、特に不自由はしていない。安いと思っていた。
 他社への通話料は課金される。したがって、Vodafone利用者が少ないうちは、Softbankは儲かる。無料化は利用者が増える誘因になる。したがって、これは一見うまい制度に見える。
 しかし、とても長期展望があるとは思えない。もし利用者がこれ以上減った場合、Vodafone利用者にとっては、無料通話の機会が減る。そうなれば、利用する誘因は今より減る。つまり、利用者にとっては、これはVodafone利用者が少ないほど利用者のうまみが減る。進化生態学で言う、「逆頻度依存淘汰」(多数派有利)の状況にある。もしも利用者が今より減ったら、Vodafoneは崩壊する恐れがある。
 では、利用者が増えたらどうなるか。利用者にとってはうまみが増える。しかし、今度は会社が儲からなくなる。仮に、Vodafoneが最大シェアを得た場合、Softbankはいまさら無料を撤回できないだろう。いったいどうするつもりなのか。
 おそらく、そのような事態は想定していないのだろう。しかし、この無料化が利用者を増やす誘因になるとすれば、利用者が増えたらますます魅力は増すはずだ。適当なシェアで落ち着くという計算は成り立たない。
 結論としては、利用者が減り続けていて、減らすのを遅らせるための商法かもしれない。いずれにしても、きわめて危うい商法だと思う。