マングース防除計画

Date: Mon, 18 Feb 2008 21:46:16 +0900
 範囲を絞るだけでなく、求められた想定(数が激減しているなど)についても解析してください。それを満たすrとKがあればの話ですが。(なければ、過去と近年ではrが違うとか、rの空間的不均一性を考慮する余地があります)
 (捕獲効率の)累乗近似のばあい、下に凸なら個体数Nが0に近づくと捕獲効率qは必ず無限小になります。しかし、下に凸でもq=aN + bN^c のような場合には、qは0になりません。それにどれだけ現実性があるかは別に議論が必要です。

少なくともカリブ海Fajou島での根絶実績がある・・・Fajou島では1km四方のなかで600個ぐらいのワナをかけて1〜2週間で根絶できています。これは、例えば奄美マングース分布域400km2では同じ程度の期間内に300〜400万TDをかければ、根絶できる可能性がかなり高くなることを示唆するもの・・・

 拙著(来月10日ころには発売)では人口学的確率性(偶然性)を考慮しました。極めて低密度になったときには、捕獲効率が下に凸の累乗近似でも絶滅します。移動経路を断ち続け、それぞれの区域での個体数を激減できれば、可能性はあるでしょう。しかし、全体が交流しているならば、面積(と個体数)が400倍になったときに、2ケタ多い400倍の費用をかけても絶滅するとは言えません。人口学的確率性によって絶滅するのは、10個体と4000個体では費用が10ケタ(!)の差でも済みません。
 いずれにしても、性病などのウルトラCがない限り、捕獲効率の高い根絶手段を開発することと、罠努力の効率的な配分の併用が必要だと思います。