知床世界遺産IUCN/UNESCO調査団

Date: Tue, 4 Mar 2008 22:48:37 +0900
皆さん
知床世界遺産を視察していたIUCN/UNESCO調査団の記者発表について、毎日新聞東京版の報道です。
 その中で「・・・だがトドの捕獲については「国際的に絶滅にひんしており、捕獲は(漁業との摩擦を減らす)取り組みがすべてダメだった場合のオプションにすべきだ」と厳しい注文を付けた。」漁業者が「もしトドを撃っていけないとなれば、間接的な漁業規制だ」と語っていることを真摯に受け止めるべきです。
さらにラオ次長が「消費的利用は遺産地域では適切ではない」と述べたとされ、「海獣狩猟はオホーツク文化(5〜13世紀)以来、ニブフやウイルタなど少数民族と地元ハンターが継承してきた捕獲の文化」を世界遺産条約が絶滅しようとしている点はたいへん遺憾です。
 彼らが「計画の詳細が欠けている。アクションプランいつまでに何を目標に何を行うのか評価基準など必要」と述べたのはそのとおりです。また、「地域の人々のかかわりが重要。多くの国ではトップダウンの管理で失敗している。知床での漁業者レベルの取り組みは興味深い」と述べたと言われますが、世界遺産核心地域でのシカ捕獲を「支持する」と述べたことと並び、これはたいへん重要なことです。
 禁漁区(No Take Zone)についても、世界の国立公園や遺産地域で用いられる国際用語だが、目的は海洋資源の持続的保護であり、生活と保護のバランスを取ることを認め、その様なバランスが維持されれば、禁漁区の言葉にこだわらなくても良く、漁業が持続的に維持され生態系が保全されていれば良いと述べたと言われています。これはすばらしいことです。