終末思想としての温暖化論=今朝の朝日新聞

 今朝23日の朝日新聞東京版朝刊1面の配置は、私にはきわめて奇妙に映った。
 1面トップがA地球温暖化イヌイットの冬が激変したという記事。1面左上にBサウジアラビアが石油を増産するという記事、1面下にC岩手宮地震の捜索を自衛隊が打ち切るという記事。私の目から見れば、重要度と緊急性はBとCがAよりはるかに勝る。大ニュースのない日に、ゆっくり地球のことを考えようとしてAをトップに載せるならまだわかる。Bは世界全体にとって緊急な重大ニュースであり、Cは翌日に回せぬ被災者にとって重要なニュースである。
 より緊急で重要であることが明らかな記事を後回しにして、温暖化を論じるというのは、裏を返せば重要事項をすり替えることにつながる。人知を超えたものがあり、この世のたたりがあるという「畏敬の念」をもつことは人間を謙虚にし、悪いことではないかもしれないが、現実に起こっている問題よりも重視すると言うのは「終末思想」と変わらないと思う。