世界遺産の海域管理計画に関与しなかった水産庁

Date: Fri, 27 Oct 2006 12:43:45 +0900
 水産庁が知床海域管理計画に当事者として参画しないことが最大の問題ですね。水産庁は、今まで漁業の自主管理(資源管理型漁業)を所管するもので、さまざまな法の実施主体だったはずですから、通常の自主管理漁業を海域管理計画に位置づけられなくなる。
 水産庁が抜けるならば、その権限は自動的に環境省に渡すべきでしょう。そうでなければ、現場は大混乱に陥ります。具体的にどんな問題が生じるかをつめておいて、最低限の落としどころを決めておく必要があるでしょう。 それさえ満たされなければ、 海域管理計画は 海域無管理計画になります。 実施主体がかかわらないのですから。 その場合は、当然、世界遺産は返上です。
 しかし、落としどころはあると楽観しています。そして、よく考えれば自主管理に水産庁はいらないなと漁業者が思うようになるでしょう。長期的に見れば、水産庁は自ら消滅への道を歩み始めたと言えるわけで、省庁再編の大きな動きの中で、おのずと解決していくと思います。
 それもこれも、欧米型の上意下達型管理ではない、日本型の自主管理漁業の長所を水産庁自身が理解せず、知床世界遺産の場でアピールしようとしなかったことに最大の原因があります。水産庁は、自分で自分の首を絞めてしまった。