日本の漁業では先住民対策はいらないのか?

Date: Sun, 7 Dec 2008 13:14:29 +0900
 【6日の水産学会主催の】勉強会参加できずにごめんなさい。【京都の地球研の会合に参加していました。】
 牧野光琢さんの【】発表資料を拝見しました。たいへんしっかりニュージーランド(NZ)などのITQ制度を調べていて、感心しました。
 【先住民対策以外はないというのはそのとおりですが、NZでは先住民対策があればかなりの沿岸を拾えているのではないでしょうか? また、日本こそ、先住民対策すらない といえます。北海道と沖縄なら、十分可能だと思います。】こちら(今、京都の地球研の研究会)ではTraditionalKnowledgeというのは欧米人が先住民に学べという狭い解釈と紹介されています。鬼頭秀一さんはLocal Knowledgeという言葉を多用します。私の理解では、日本の沿岸漁民、零細漁民の権利をアラスカやNZの先住民並みに認めてもよいのではないかと思います(それがLocalKnowledgeとして正統化できるかは不明)。また、日本(の規制改革会議)には先住民対策すらないという側面を忘れるべきではないでしょう。北海道と沖縄では先住民は現存します。
 そもそも「一般的全面的にITQを導入しない」という検討は有識者会議ですでに終わっていることで、牧野さんのスライドの大半はその根拠になっていると思います。その条件が具体的なので、「関係漁民数が少なく、なおかつ特定の資源に特化した企業的操業が行われている(行われるべき)漁業種類に関しては、日本や韓国でもIQ・ITQ 制度の有効性が議論されてよい」という部分の重要なヒントは得られますが、その後の突込みがほしいところですね。
 沖合や遠洋で、共同管理が成功しているという歴史的事例はどこにあるのでしょうか? 少し前に、ある環境経済学者が 「入会地のコモンズ論が成立する条件は移動性が低いこと。都会に出て生活できる今では無理ではないか」と言っていました。【逆に言えば、これがIQ制度を導入したときの監視費用が高くつくという根拠にもなるのでしょう。】