櫻本和美氏の主張に意見する「TACと密度依存性は無関係」

Date: Fri, 24 Jun 2016 07:03:12 +0900
そもそも、加入率に年変動があるときにTACと入力規制とどちらが良いかは、密度依存性とは無関係な議論で、逆に言えばMSYに沿った文脈でも可能です。ある程度は資源動態モデルでも可能です。【私のサイトをご覧ください。】
こんな先行研究はどこかにあるように思います【】。


Date: Fri, 24 Jun 2016 10:08:16 +0900
 私はMSYをベースにしていません。【】さらに、私はTAC対象魚種を増やすべきだと言っています。(2008年8月のBlogの最後の部分【】)

【櫻本さんの主張が】TAC批判や入口管理の批判でないなら、ただの彼の密度依存性の間違いで済む話です。しかし、【水産経済新聞の記事「TAC対象種を増やせとか、IQ、ITQを導入すべきとか言う人は、すべてMSYがベース」では、櫻本さんの密度依存性の理論をTAC拡大やIQ/ITQ批判と結び付けた発言と読めます】。
 TACを定めてMSYを維持するというのは国連海洋法条約条文にあります。私は沿岸小規模漁業には自由度があってよいと思いますが、少なくとも沖合の巻き網や底引き網漁業はTACだけでなくIQなどを導入したほうが良いと思います(チリの漁業制度が一つのモデル)。
 ただでさえ、日本のTACは機能していないとたたかれている(京都ズワイガニMSC認証問題)【】。
 私が示したシミュレーションは、海洋法条約に背いてまでやる価値があるほどの違いではありません。出口規制でなく入口規制も活用すべきだという主張なら私も(おそらく一部のMSY派も)同じです。それは海洋法でも否定していないはずです。しかし、TACを全否定するのはやめたほうが良い。【】
 私は2006年に、UNCLOS非公式会議で生態系アプローチに関する議論をする場で、MSYを批判しました。 BLOGに書いた通り、参加者は熱心に聞いていただきました(BLOGの続き)。(その時はまだ最大持続生態系サービスのほうがましだとは言いませんでした。これはMSY批判の決め手になると思います)
 今春もUNCLOS関係のNYでの会議に出ましたが、日本の主張に全くユーモアがなく、完全に浮いているように思いました(FACEBOOK)。島国根性が心配です。