IWC議長案について

Date: Fri, 4 Jun 2010 12:58:49 +0900
IWCの議長調停が話題になっています。大久保彩子さんの文書を拝見しました。手際よくまとめられ、ありがとうございます。
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/agadir.pdf
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/agadir2_20100507.pdf
【】ほかに議長提案のたたき台http://iwcoffice.org/_documents/commission/future/IWC-M10-SWG4.pdf
現時点での調停案
http://www.iwcoffice.org/_documents/commission/IWC62docs/62-7.pdfを知りました。
 基本的に、議長案は今まで捕獲枠の規制がかからなかった調査捕鯨についても規制しようという内容ですね。その代わり、沿岸捕鯨を認めると。
 私の意見を申します。
1. 文書を全部読んでいませんが(間違いでしたら教えてください)、Coastal whalingを検索しても、ほとんど何も出てきませんね。沿岸捕鯨を地域の人の権利と見る視点が全くない【】のはたいへん残念であり、不当だと私は思います。おそらく、誰も、日本沿岸の鯨類資源(少なくともミンククジラ)が危機にあるとは思っていないのでしょう。それなのに政治的に阻止している。この事態自体が不当だと思います。 かつて日本は米露の生存捕鯨に反対しましたが、これよりひどいです。このときは、沿岸捕鯨との資源状態の比較という主張でした(生存捕鯨の趣旨がわかっていないが、資源状態としてはその通り)。米国政府への意趣返しで先住民の権利を奪うというのは受益者が明確に異なる行為でした。その点は今回(南氷洋調査捕鯨と沿岸捕鯨)と同じです。全く正当性はないと私は思います。【】
 いずれにしても、妥協する努力を歓迎すべきです。日本が一方的に沿岸捕鯨を再開すれば、【】調査捕鯨ができなくなる恐れがあります。【】それよりはましでしょう。沿岸捕鯨は、早く再開しないと、担い手自体が絶滅する恐れがあるでしょう。現在のこう着状態を皆が望んでいるというのは、私の認識とは違います。
 調査捕鯨をなぜ南氷洋の一定の海域でやらねばいけないのか。捕獲枠を減らすなら、全海区でとることもできるでしょう。また、議長提案自体Carry forwardを認めているようです。シーシェパードが邪魔すれば、その分翌年多く取れる。【】2021年以後、何頭獲るかは決まっていないと思います。それならば、妥協する(議論と政治決着は将来に託す)のは悪くないでしょう。
 もし決裂すれば、一方的に沿岸捕鯨を再開してもよいとさえ思います。沿岸捕鯨に反対するいかなる正義もありません。調査捕鯨への風当たりは強くなるでしょうが、【】後は世論次第でしょう。それにはまず、日本が前向きな態度を示すことが大切です。
 おそらく、調査捕鯨でなく、商業捕鯨を再開するほうが、捕獲枠を有効に制限できる(仮に来年再開すれば、捕獲枠は大幅削減か、Phase out ruleによって0になる可能性すらあります)という認識になっていくでしょう。
 ご意見ありましたらぜひお聞かせください。