6.18 COEシンポジウムのお礼

生態リスクCOE各位
 昨日6.18のシンポジウム、100名をはるかに超えていたと思います【115名】。RA*1の皆さんの周到な準備、ありがとうございました。講演で申したとおり、イベントばかりやっている私の企画より、参加者も多く、また多くの方が満足されていたように思います(【】アンケート結果を1ヶ月程度でまとめましょう)。
 佐伯さんの私への質問、たいへんよかったです。逆の答え(頼まれる前にしっかり保全などを訴える)をする方もいたでしょうが、頼まれる前に【地域のこと】口を出すと、私の場合はうまく行かないと思います。【】
 佐藤さんには直前に急遽壇上に上げてしまい、申し訳ありません。しかし、たいへんよい議論を盛り上げていただいたそうで、ありがとうございました。地域環境学ネットワーク代表のご意見は貴重です。
 今回、横濱国大にゆかりのある地域の取組みが多数紹介されました。改めて、本学の懐の広さを感じました。キョロロは既に佐藤さんの地域環境学ネットワークに参加していますが、今後の交流や連携の発展が楽しみです。
 今回のシンポジウムは、GCOEで特筆する行事の一つになりました。
 松田Versionの「訪問型研究者が地域と協働するための十七条憲法」も、何名かの方に興味を持っていただきました。【】「聖徳太子の十七条憲法」(本当に彼が作ったかは疑問らしい)にそれぞれの条文が対応するように仕組んでいます。しかし、ほとんど同じ趣旨(以下の○)、対応するといえないこともない、ものから、むしろ逆の内容(以下の×)もあります。聖徳太子のは人民向けというより、中央集権を進めるための地方赴任の官僚への訓示だと思いますが、我々は分権化を推奨する立場です。しかし、人心を掴むという点では、見習うべき点が多いです。今の官僚も同じような教育を(おそらく)受けているでしょうが、研究者はそのような訓練無しに地域に入り、佐藤さんが質問されたように、経験を通じて自分で変わっていきます。それを潤滑にするには、このようなガイドラインが必要でしょう。
「訪問型研究者が地域と協同するための十七条憲法
○一、 和を何よりも大切なものとし、いさかいをおこさぬ
×二、現場の声、政府の見解、科学的知見を踏まえた解を探す
×三、地域の合意が得られたなら、謹んでそれにしたがう
○四、意見の異なる者にも礼節を尽す
 五、多少の金銭的負担にこだわるな
×六、科学的知見を絶対視しない
 七、人に期待し、信じ、求めすぎない
 八、引き受けた任務を途中で投げ出さない
 九、地域に不都合なこともごまかさず正直に説明する
○十、議論は冷静かつ建設的に行なう
 十一、得られた研究成果を地域に説明する
 十二、研究者の利益と地域の利益が異なることを弁(わきま)える
○十三、研究者は地域の取組みの経緯をよく理解する
 十四、研究成果になる新しいことにこだわらず、地域に最善の科学的知見を示す
 十五、研究者は地域を離れず、末永く付き合う
○十六、地域のペースに合わせ、急ぎすぎない
○十七、意志決定は十分に議論し、一人で決めない

 改めて、皆さん、ありがとうございました。
参考地域環境学ネットワークの地域と科学者の協働のガイドライン

*1:利サーとアシスタント=博士課程大学院生