サイエンスフォーラム南アフリカの報告

Date: Sun, 25 Dec 2016 07:42:46 +0900
下記サイトに報告があります。ご参考まで。
http://scienceportal.jst.go.jp/reports/other/20161222_01.html

Date: Mon, 19 Dec 2016 15:52:59 +0900
1)【3つのタイプの科学者国際会議があります】
(A)通常の国際学会等は研究内容の紹介や交流です。
(B)最近、IPBESやIPCCなどの会合、UNESCO MAB計画の会合、海洋法条約関係の国連本部の会合に参加します。これらは環境政策などの中身を直接議論します。
(C)それらに対して、今回はいわば「研究者のあり方」を議論する場でした。(B)に直接かかわる研究者として、私自身の体験を紹介することが、今回様々な方に熱心に聞いていただいた手ごたえがありました。
 国内でも似たような経験があります。
(B')野生鳥獣管理計画の自治体の委員会、世界遺産の科学委員会などにかかわりますが、佐藤哲さんのJSTーRistex「地域主導型科学者コミュニティの創生」及び地球研ILEKプロジェクトでは、このことが主題となっています。
 私の17条憲法(地域と研究者の協働のためのガイドライン)もそのような文脈で提案しました。
 日本生態学会などでも、そのような相談をする会合(フォーラム)なども設けています。
 しかし、(B)にかかわらず、(A)だけにかかわる研究者にとっては、(C)はあまり意義を感じないかもしれません。(限られた専門家の国際ネットワークをどう作るかは本当は重要ですが、かなり、個人の資質に依拠しているように見えます。それでよいのかもしれませんが)

2)(B)にかかわる研究者は少なくありません。しかし、【(C)のような会合に興味を持たれる】かどうかは確信が持てません。失礼ながら、【】Science Forumを動かせばFuture EarthやUNESCOやUNCLOSやIUCNなどがどこまで動くのか、まだ私自身にもピンと来ていない側面があります。逆に言えば、IPCCやIPBESは大きな「権力」を持っていますから、その場で決まることに環境科学者は左右されます。(C)は必ずしもそうではない。【C】で議論がされている内容を知る機会は、IPCCなどに参加する中である程度体験するかもしれません。
 ただし、今回私自身にとって、いくつか新しい概念を知る機会、聞いたことがあった概念を学びなおす機会、逆に、なぜこの概念が取り上げられないのかと疑問に思うことがいくつかありました。
Science diplomacy (米本昌平さんの外交科学=酸性雨問題での国際条約に果たす科学者の役割とIWC捕鯨論争の比較研究)
Open Science (巷では単にOpen Access雑誌のことと矮小化?)
特に上記二つが今回の中心テーマと思いました。しかし
Transdisciplinary science(TD)、Human dimension(HD)、Risk sicence、Regulatory scienceなどは、私(と横浜国大Global COE)にとっては中心概念ですが、今回、あまり登場しなかったように思います。TDとHDはFuture Earth全体の鍵概念のはず。EIA(環境影響評価)や国際条約のあり方なども、おそらく科学的方法論があるはずです。「囚人のジレンマ」と共有地の悲劇のようなゲーム理論、またCondorcetのParadoxのようなことも、社会の合意形成を図るうえで不可欠の知識だが、そのような「合意形成(社会的意思決定、公共選択)の科学」が参加者のベースにあるとも思えませんでした。