9.28公開行事「減る水産物、増える海獣のお礼」

29 Sep 2013 13:15:07 +0900
9.28公開コロキアムのご参加と】ご講演ありがとうございました。
おかげさまで、中身の濃い議論ができたと思います。
 野生鳥獣については、かつては肉や毛皮で利用され、乱獲が問題でした。今では利用する経済も文化も技術も絶滅寸前であり、増えすぎて害獣問題が深刻です。駆除しても利用する手立てが無いことが逆の問題を引き起こしている。乱獲も非利用も、別の意味で人と自然の関係のバランスを欠いていると言えるでしょう。北海道では、まだ採算が全く取れませんが、エゾシカの有効利用を目指しています。
 絶滅危惧種を保護するのは政府の役割だと思いますが、回復した野生鳥獣まで政府が管理することが解とは限らないと申しました。
 生物多様性だけでなく、自然の恵みを利用する文化の多様性も、最近の生物多様性条約では重視されています。
 自然保護思想には(1)手付かずの自然を守る保存(Protection)型、(2)持続可能な利用と保全の両立をはかる保全(Conservation)型があり、1から2へと進化してきたと申しました。しかし、IWCやCITESの圧力団体は今でも保存型であり、生物多様性条約は保全型で、条約により環境団体の態度が違います。(これは同じ組織でも違う担当者が対応しているそうです)。政府側も、環境省水産庁が条約により別の態度をとることがあります(日本政府はほぼ一貫しています)。本来、IWCもCITESも保全型に変わるべきなのでしょう。
 太平洋クロマグロの対策を行う水産庁の事をWWFジャパンがほめているのも印象的でした。環境団体が政府をほめて育てるのはすばらしい。パネル討論でも申しましたが、今後ニホンウナギはCITES付属書に掲載提案が出る可能性があります。欧州ウナギ掲載の際には、日本は反対していません。
 【】海産生物レッドリストIWC、CITES、トドなどの獣害対策の理念を共有できれば幸いです。【】皆様の協力をお願いします。