9.28公開コロキアム「減る水産物、増える海獣−絶滅危惧の水産生物と持続可能な漁業−」

(2013/09/18 17:55)
http://www.cosie.ynu.ac.jp/news/94.html
北海道のトドは絶滅危惧種から準絶滅危惧種となり、保護からの政策の転換が検討されるでしょう。ただし、捕獲を増やすだ けでもまた、解決しないでしょう。下記サイトの山村さんのトドの講演要旨をご覧ください。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2013/130928COSIE.html
 これは海獣類だけでなく、陸上野生動物にも共通する問題と言えるでしょう。同日札幌での別のシンポジウムの表題通り、「日本の野生 動物管理の転換点」ということです。ニホンジカも、長らく保護していましたが、長い論争ののち、今では世界遺産核心地域の知床岬でも、大規模 な密度操作実験を行っています。
 http://www.town.shari.hokkaido.jp/100m2/news2007/No10P6.pdf  人為捕獲への方針転換
 http://www.env.go.jp/council/12nature/y124-03/mat05_1.pdf  密度操作実験
 http://dc.shiretoko-whc.com/data/research/annual_report/h23/ch3_4.html  植生回復
 この行事は、海洋生態系に絞り、今でも減り続けている水産重要魚種の問題と、回復基調にある海獣類、それに何も決められなくなったIWC と鯨類の問題を同時に扱うことで、 人間と海洋生態系のかかわりを議論したいと思います。
 今年はサンマの「不漁」が報道されますが、これは乱獲や資源枯渇の問題ではありません。国連海洋法条約発効後、日本の水産資源の多くは乱獲 を脱しつつあります。下記のサイトで、赤(資源水準が低位)でかつ下向き(減少傾向)のものは85系群中10系群です。そのうち、国連海洋法 条約に基づく漁獲可能量対象7資源(下記サイトのマイワシからスルメイカまで)には、低位かつ減少はありません。http://abchan.job.affrc.go.jp/digests24/index.html
 以下にあるH14年版では25系群が低位かつ減少です。http://abchan.job.affrc.go.jp/digests14/index.html
 そして、かつては乱獲が最大の問題でした。その中でも過去に乱獲が指摘されたマイワシ、マサバの資源に好転の兆しがあるのは、水産資源学者 としては手ごたえを感じます。しかし、いまだに0歳魚を取り続けている太平洋クロマグロ、有効な資源管理方策を打てないニホンウナギ(ようや く、報道も「いつまで食べられるか」だけではなくなりつつあるかもしれません)、発展する中国の需要増大で乱獲される日本のマナマコなど、残 された問題があります。今回はこれらを取り上げます。
 同時に、これは海洋生物のレッドリスト作成、海獣管理の問題でもあります。レッドリスト環境省が策定すべきだと私は思いますが、残念なが ら海産生物のレッドリストはなお不十分です。http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20130416
 また、海獣類の管理もトドは水産庁、アザラシは環境省と別れています。今回、ゼニガタアザラシの試験捕獲を巡り、環境省と地元漁業者との関 係が問われています。
(以上)