魚は本当に危険なのか?

On 2013/09/24, at 8:05,
海産魚の基準値越えは、福島県の検査結果(20km圏外が中心)でも、 9月12〜18日には0になりました(約150標本中。ちょうど100Bq/kgが2検体あ ります)。仮に基準値が500Bq/kgだったら、もう20km圏内以外は普通に操業できていたでしょう。
 福島第一原発施設港内では1万Bq/kgを超える魚がありますし、それが移出したと思われる魚が港外の20km圏内で今までに1検体だけありました(昨年7月)。以後、港内から移出しないように港内の魚を獲り、フェンスを作るなど対応しています(船が往来するのですから、完全ではありません)。以後は港外では高濃度汚染魚は発見されていません。2.5万Ba/kgを1回80g(通常の1日の 平均水産物摂取量)食べても0.04mSvです。一人で2回食べることはまず考えられません。
 基準値越えが出れば出荷制限、操業自粛になります。そうならないように努めているわけです。そして、大事なことは基準値ではなく、実際の被曝量を低く抑えることです。【この点は欧州議会ハウスでも説明しました。】それは十分に達成されているでしょう。
 8月30日と9月12日に欧州議会ハウスで欧州議員視察団などに説明する機会がありましたが、この点は十分理解いただいたと思いま す。日本では最近までBSE対策で全頭検査をしていたと説明しました。チュルノブイリの後、ノルウェーではトナカイなどの基準値が 6000Bq/kgに引き上げられたそうです*1。【欧州議会ハウスでノルウェーの方から挨拶いただきました。】
 原発問題では、政府批判、真実が伝えられていないという批判が、現状が危険であるという認識と混同されています。その結果、できも しない除染レベルが求められ、最優先事項がないがしろにされている。「完全にブロックされている」という政府も問題だが、平時と同じ状態を求める報道も単なる批判勢力であり、現実的な政策提言を行う主体性に欠けています。
 【海水中のストロンチウムセシウムの比が変わってきているといいますが、そもそもCsの基準値をほとんど超えない(平均値としては極めて低い)ので、あまり関係ありません。】
 汚染水問題も、トリチウムだけが取り除けない処理水までため続けることが果たして妥当なことか、検討すべきです。
 もちろん、それによって懸念される漁業の出荷制限、操業自粛、風評被害に対しては、十全の補償をしていただきたい。