(())*1466749356*クマ管理計画への意見
Date: Fri, 24 Jun 2016 05:56:21 +0000
【Blogの続きです】(FaceBook)。
私の意見は二つあります。
- 個体管理というなら問題熊数の増減のモニタリングとそれに応じたフィードバック管理が必要だが、検討すらされていない。保護管理マニュアルが個体管理としてもともと不備である。
- クマの個体数が各地で増えているという見解があります。それならば個体数管理も含めた方針に移行してもよいと思いますが、その準備が進んでいるように見えません。
順番に説明させてください。
1.個体管理として不備である
個体管理をするなら、問題個体の数をモニタリングすべきであり、それが減ったかどうかで評価見直しを行うべきです。現在の手引きでは取り組む内容は示されていますが、成否がわからない。クマの保護管理マニュアルには、そもそも、「フィードバック」「順応的」という用語が登場しないようです。(こちらは2006年で最新でしょうか?)*1
ニホンザルの管理マニュアルも加害群(加害個体)の増減を評価しろとは書いていないが、フィードバックという言葉はあります。また、神奈川県の特定計画*2では【加害群の】増減をモニタリングしています。野生の猿のほとんどが加害群であることに衝撃を受けましたが、これも、情報があって初めてわかることです。
2.個体数調整への転換について
実証的なデータとまでは言えませんが、私は個体数が増えていると判断してもよいと思います(以前に認識が過小評価だったということもあるだろうが、以前より増えているという認識もあると思います)(-北海道報道発表)
ゼニガタアザラシ管理計画は個体群管理と明記しています。そのうえで、加害個体の選択的採捕を検討しています。トドは保護から個体数管理へと転換しました。(ただし、どちらも、今後個体数が本当に減るかどうかはまだわかりません)
【ゼニガタアザラシでは】そのうえで、「定置網に執着している亜成獣以上の個体を選択的に捕獲し、また、幼獣の混獲を回避する技術を開発」するとしています。つまり、個体管理は生きている。
渡島のクマも、個体数を減らしてもよいという方針にはなっていると思いますが、シカのように減らすという計画とは言えません。【捕獲数の「上限」をきめているだけで、「下限」ではない。】問題個体を着実に減らしているならそれでも【個体数が減らなくても】良いですが、現状は問題個体が総個体数以上に顕著に増えていると思います。
Date: Wed, 29 Jun 2016 12:53:09 +0900
クマの【改定作業中の】ガイドライン、フィードバックの代わりにPDCAサイクルの言及はありますが【P19】、CAの部分がモニタリングと再検討と書いているだけで、状況がどう変わればどう方針を変えるという記述が一言もない。【典型的な似非順応的管理】ですね。