9.17数理生物学会大会公開シンポジウムアンケート

9.17数理生物学会大会公開シンポジウムのアンケート結果がでたので、下記に掲載します。当日は120名ほどの参加者がいましたが、27名のかたがアンケートにご協力いただきました。ありがとうございました。

生態系の保全とリスク評価の理論と実際
アンケート結果(n=27)
2. 参加の理由

  • 水産資源の管理の研究に役立つとの期待。
  • 環境コンサルタントとして、PRTR、有害大気等の業務に関わっているため
  • 農薬やPOPsなどの生態リスク評価手法を研究課題としているため。
  • 今後の生態系保全を考える上で、重要な情報が得られると考えられたから。
  • 数理モデルのリスク評価への活用の予測を知るため。
  • 興味を持つ題材だったので。
  • 卒論の参考になるのではないかと紹介され、興味を持ったから。
  • 非常に興味のあるテーマだったため。数理モデルには詳しくないが、生態系保全のリスク評価の全体像が分かると良いかと思った。
  • 川の自然再生等の事業に関係する者として参加。事業の予測評価のヒントになればと思った。
  • 今後の研究を進める中で、アプローチの仕方を学ぶために参加。
  • 現在の職(大学の助手)に就いて、環境科学の分野にたずさわるようになり、内分泌かく乱現象の問題を研究テーマにすることなった。その調査、研究を進める中で問題の大きさや本質、さらにはなぜ研究する必要性があるのかといったことに悩むようになり、そんな時に中西準子先生の存在を知り、リスク評価の世界に興味を持つようになった。ただ、具体的に自分の研究にどのように導入していったらいいのか悩んでおり、参加した。
  • 生態系の保全に対する数理モデルの内容や有効性について興味があったため。
  • 様々な生物におけるリスク管理の取り組みについて知りたかった。
  • 仕事上、今後必要性が高いと感じたことと、個人的な興味。

3. 意見・感想等

  • 生態系の保全と種の保全との議論が離れたまま終わった印象。次はこの二つを個々および総合したものを期待する。
  • 大変興味深い内容で非常に勉強になった。(多数)
  • モデルのシナリオが不明確であることと、どの段階であるかが不明確であるためにパラメータの精度などの評価が不十分と考える。
  • たった一段階のモデルで予測することは困難であるので、そのことを踏まえたリスク評価を進めるべきであろう。
  • パラメータの中で生物に対する影響が不正確。急性毒性一つとっても同じ藻類の中でも反応は数オーダー異なることは良く知られている。
  • シンプルで現象をうまく表現できるモデルを作ることが重要になってくる。
  • 一定の成果を無料で社会に公表するということはとても良いことだと思う。
  • 非常に興味深かった。研究の有効性や効果についても、もっと多く示して頂けるとより面白くなると思う。
  • リスク論の勉強を始めた。勉強のために本シンポジウムに参加し、考え方を含め大変勉強になりました。
  • 内容が非常にばらけていて興味深い。今後の勉強のための参考にしたい。
  • 総合討論の中で生態学的多様性の目標設定に関する話が出ており、研究の現状を理解することができました。
  • 技術評価と経済評価のかねあい、経済評価の仕方(重み付け)等。特に環境問題を解決するとき、コストと環境をどうトレードオフ評価するか(社会科学的側面)等の話を聞きたい。
  • リスク評価に関するシンポジウム等に初めて参加するということで、何か得るものがあるのではと思い楽しみにしてきたが、正直なところ、自分の知識不足で概念的な話はある程度理解できるものの、それでは自分のような立場の人間がどういった仕事をしていく必要があるのかというところのつながりまでは今日の時間だけでは見えてこなかった。今後、本シンポジウムをきっかけにして視野を広げていきたい。最後の総合討論は大変興味深い内容だった。
  • 生態リスクの定義は立場によってかなり異なることが考えられる。有益でも無害でもない生物の絶滅の防止に社会がどれほどのコストを支払うのかの説得はかなり難しいように思う。またヒグマのように人命に対して重大な被害を及ぼすものの場合も絶滅から守るということにどれほど積極的になるのかも分からない。科学者はある生物の絶滅がもたらす影響を遺伝資源の喪失や唯一性のみに求めるだけではなく、社会に大きな影響(たとえば温暖化のような)を及ぼす可能性を分かりやすく示す必要性があるかと思う。
  • 一般に開かれているシンポジウムにしては、少し専門性が高すぎるような気がした。できるだけ分かりやすく説明される努力はしていると思うが、今後とも一般の人に理解しやすい説明ということを考える必要がある。
  • 演者により話の内容-説明の仕方において難易度に違いがみられた。学会の関連企画であるので、専門用語の使用などやむを得ないとは思うが、できれば公開シンポジウムとして平易な表現を使うなど、専門外の聴衆にも理解しやすい講演の工夫が必要ではないかと感じた。
  • 書籍販売コーナーがほしい。
  • リスクを評価し、それを施策決定に利用することの難しさが良く分かった。
  • レッドリスト決定や漁獲、ヒグマ保護などの様々な問題の政策決定に対して数理モデルが実際に使われているのを知り、頼もしく思った。個人的には数式の理解が遅いので文章や図以外の具体的な数式の説明にもう少し時間をかけてほしかった。文章の部分はレジュメのほうにある程度書いてあるので多少時間を減らしても分かると思う。
  • 陸上の生物から漁業まで幅広い話題提供でよかった。
  • 数理モデルを作り、リスク評価を行うだけでなく、実際の施策に反映するための合意形成ツールとして今後より期待される分野になりそう。施策として行われた実例をもっと知りたかった。
  • 手法として有効なものが多いと思ったが、同時に基礎的な情報(種の生態)が少なく、手法としては最高でも利用できないものもあると感じた。

(以上、重ねてお礼申し上げます)