専門家への質問

Date: Mon, 14 Nov 2005 07:56:38 +1200
矢原さん c○○さん、○○さん、○○さん
 ブログお返事ありがとうございました。
 野鳥の会などの市民モニタリングを褒めていますが、○○さんが担っている海草モニタリングも世界中で(日本でも)輪を広げつつあります。Jeremmy JacksonもRam Myersと同じくCoMLのメンバーです。下記論文の第一著者ですね*1。沿海の話と、遠洋の話はとりあえず分けて考えます。
 乱獲が主犯だとは私は思いませんが、沿岸域の生態系が大きく損なわれていることは否定しようが無いでしょう。それで、漁業をやめればよいかといえば、むしろ漁業は続けるべきです。海の恵みに依存する人々がいなくなれば、ますます沿岸は守れなくなるでしょう。少なくとも沿岸域については、漁業主犯説は見当違いだと私は思います。
 たしかに、現時点では枯渇している資源に漁業が追い討ちをかけている場合が多々あると思います。少なくとも日本と途上国では、むしろ漁業者を味方につけるような取り組みと、その展望を科学的に示すことが重要だと私は思っています。知床はよい機会だと思っています(ひょっとすると○○○も)。去年の世界水産学会議で基調講演したAmanda Vincentもその立場だったと思います。
 ただ、○○さんや○○さんは意見が違うかもしれません。よい機会ですので、矢原さんのブログを読んで、ご意見いただければ幸いです。*2

*1:Jeremy B. C. Jackson, Michael X. Kirby, Wolfgang H. Berger, Karen A. Bjorndal, Louis W. Botsford, Bruce J. Bourque, Roger H. Bradbury, Richard Cooke, Jon Erlandson, James A. Estes, Terence P. Hughes, Susan Kidwell, Carina B. Lange, Hunter S. Lenihan, John M. Pandolfi, Charles H. Peterson, Robert S. Steneck, Mia J. Tegner, Robert R. Warner (2001) Historical Overfishing and the Recent Collapse of Coastal Ecosystems SCIENCE 293:629-638

*2:問い合わせた3氏からは詳しい回答が寄せられた。いずれ論点を整理して、どこかで紹介したい。その際にはまた本HPでもお知らせする。要点は、沿岸生態系への漁業の影響は、欧米では過大評価、日本では過小評価ではないかというものだった。持続可能な漁業を否定する生態学者は日本では少ないと思う。では、上記Jackson氏はどう考えているのだろうか。論文表題は読者にどう思われるだろうか