リスク管理 最低限のこと

Date: Mon, 2 Jan 2006 18:17:46 +1200
 【リスク管理のマニュアルが無いのかという質問に対して】先ほどのメールがその答えです。何も難しいことはいりません。最低限すべきことは、
さまざまな状態を予測し、対策を立て、それを公表すること、対策が取れないことが何かを明らかにすること
です。これができないのに、人材も体制もマニュアルもありません。やる気の問題です。後はリスク管理独自の問題ではなく、行政の一般的な問題です。【達成できない】問題を浮き彫りにすることが、リスク管理だと思います。
Date: Sun, 1 Jan 2006 14:12:29 +1200
○○さん
最近は、自宅で雑煮を食べながら、世界中とメールで挨拶ができます。
知床のoveruseは思ったより大きな問題のようですね。科学委員会がきちんと利用上限を定めないといけないように思います。【】
 ○○さんから、【北海道では】全然リスク管理ができていないと伺いました。クマはどうするかと聞けば、被害が出たら全部いなくなってもよいという風潮だとか。知床のクマは貴重な観光資源なのに、そんなことになるのですかね。
 リスク管理の最もわかり易い例は「想定内・想定外」だと思います。一通りの未来を予想せずに、さまざまな状況を事前に予想すること。そのうえで、事前に対策を立てることです。対策を立てない予想は、想定内とはいえません。そして、対策を立てられない事態も予想されます。もちろん予想すらできない事態もあるでしょうが、対策を立てられない事態まで予想できれば、成否はともかく、リスク管理の実践と言えるでしょう。
 それを、一人の頭の中で考えるのではなく、実行担当者の間で徹底的に議論することが大切です。堀江モンのようなマネーゲームでは相手に手の内を見せないでしょうが、合意形成には、どこまで想定したかを明文化することが大切です。
すべてを明文化するとは限りません。それはリスクコミュニケーションの問題です。できるだけ公開すべきですが、それは合意形成と管理実施の効率を考えて決めるべきです。単にその場しのぎではなく、予想されたあらゆる事態に対してうまくいくために必要なリスクコミュニケーションを実施すべきです。そうしないと、失敗したときに収拾が付かなくなるでしょう。
 今年もよろしくお願いします。
Date: Sun, 1 Jan 2006 15:07:10 +1200
【何らかの事故が発生し、大問題になるのであれば、それはそれで良いと考えています。】気持ちはよくわかりますが、これを言うなら社会に公言しておかないと、当事者としては説明無責任と言われかねません。身内でだけ言って、あるいは上層部に内々にいうだけで、社会が知らないリスクを承知していたとあれば、いざというときに批判は免れないでしょう。それはリスクコミュニケーションの失敗です。また、解決の見通しもないままいたずらに情報公開しても、却って混乱を与えるだけでしょう。(risk mis-communication)
 公言していれば、確かに仰るとおりです。*1

*1:すでに活字にして公表しているとの返事あり