科学委員会ワーキンググループメンバーの人選について

Date: Thu, 22 Dec 2005 13:44:24 +0900 (JST)
皆様 松田裕之です
 昨日の海域ワーキンググループ(WG)で、サケ科魚類管理計画をどのWGで議論するかの仕分けが議論されました。【】
 この二つの問題【河川工作物がサケ科魚類の遡上と移動などに及ぼす影響と孵化放流事業がサケ科魚類の天然個体群に与える影響】をともに考えるサケ科魚類の専門家として○○委員が両WGの委員を兼ねることは、○○委員長、○○、○○両座長の一致した意見だったと理解しています。また、予算などの事情でも特に委員とすることに支障はないと理解しています。
 それがいまだに実現していないということはまことに遺憾です。
 科学委員会が必要と認めた委員の就任を認めないという立場を合同事務局が取ることは、対外的に、この科学委員会の中立性が損なわれていることを公言することになります。これは欧米の合意形成過程の通念から見て、明白な原則違反だと思います*1。したがって、IUCNまたはユネスコの評価を大きく損なうことは必至です。特に、○○委員はIUCN種の保存委員会サケ専門家グループ(IUCN/SSC/SSG)のメンバーであり、彼の委員就任を合同事務局が拒否するというのは、致命的にまずいと思います。合同事務局はそのことを十分に理解されたうえで意思決定してください。
 ○○委員長と○○座長には、河川WGで彼を実質的に委員と同格に扱われるよう強く希望します。科学委員会としてその立場を貫くことは、逆に、科学委員会が合同事務局から独立した第3者機関として実質的に機能していることを示すものです。一旦表明した彼の委員適格を合同事務局の意見に従って曲げるようなことは、絶対になされないよう希望します。

*1:愛知万博の環境影響評価において、1999年にパリ博覧会国際事務局(BIE)が日本の検討会を「自分で自分を評価するのか」と疑問を呈したことは、2000年1月14日の中日新聞のスクープで報道されたとおりです。