局所個体群の保全

Date: Wed, 4 Jan 2006 11:50:19 +1200
○○様 保全の単位の議論には、私はかなり不満があります。
遺伝的に隔離された小個体群があれば保全対象と【される】のでしょうが、そもそも、自然に絶滅するリスクはかなり高いはずです。自然現象として、そのようなものは(低頻度では種自身さえも)絶滅と再導入を繰り返しているのではないでしょうか。
 また、あくまでも後世に自然の恵みを遺しながら使い続けることが主目的のはずで、すべてを守ることはできないし、無意味だと思います。CSUの議論で、これらの議論が真っ向からできているとは聞いたことがありません。ESUでさえ、そう感じたことはありません。
 保全生態学も、中世のキリスト教会のように、免罪符を売って権力に結びつくだけの存在に成り下がるかもしれません。もちろん改革派は常に現れるでしょうが。
Date: Thu, 5 Jan 2006 02:44:15 +1200
○○さん

”自然の恵み”はすべての生物を保全しなくても保たれるだろうとは私も思います。

その通りです。そのためには、上記のような考察が欠かせないと私は思います。もともと小さいものと、人為的に絶滅リスクが高まったものをちゃんと区別すること。守りがいのあるものをまもること。
基礎科学は意外性に価値があり、応用科学は常識を重んじることだと私は思っています。どちらかにしたほうがよいでしょう。まだ若いですから、意外性を大事にしたほうがよいと思います。だとすれば、保全の常識に挑戦したほうがよいと私は思います。
松田のテーマ 順応的管理は危ない。