海域管理計画について

Date: Fri, 10 Feb 2006 11:48:44 +0900
海域WG委員・オブザーバー各位
 (管理者の○○様 たいへんお手数ですが, リッチテキストrtfファイルも添付可能にできませんか?重くなりますが)
遅くなりましたが、多利用型統合的海域管理計画のデザイン案に対する意見を申します。

  1. 他の方のご意見もたいへん的をいていると思います。参考にしてください。
  2. 3年後の海域計画に盛り込む内容は骨子程度にとどめ、今年作る素案の内容に絞って議論してはいかがでしょうか。継続討議にすると書かれた部分が全くないのが気になります。基本的には今実施している内容で、今後海洋生態系が損なわれないように保障する(指標種の健全性を監視し、悪化すれば必要な措置をとる)ことだと思います。素案ですから、もっと絞り込んでよいと思います。
  3. 最も肝心なことがありません。資源が悪化してきたらどうするか、モニタリング結果をみてスケトウダラがどの水準にあれば健全と見なすのかが書いていません。他の指標種についても、調査するとは書いてあるものの、評価基準がありません。努力しているというだけでは評価されません。すべてについてはできませんから、指標種など(非生物的指標も含む)をもっと絞り、評価基準を明記すべきです。
  4. 指標種の選定方法が不明確です。サケとスケトウダラを同列に扱うのは工夫が足りないのではないでしょうか。サケ類は持続可能な漁業にとって重要だから保護するのか、それとも知床の健全な生態系の指標なのですか?前者でよいと思います。あるいは河川域も含めた健全性の指標としてなら妥当でしょう。スケトウダラは双方の意義があるのではないでしょうか。
  5. 指標種というのはすべて掲げる必要はありません。海ワシ類(現在ではオオワシオジロワシはシカ肉も利用しているといわれ、必ずしも海洋生態系の健全性の指標とはいえないと思います)は知床管理計画全体では重要だが、海域管理素案には不要かもしれません。仮にオオワシが減ったときに,保護増殖事業をやるとして、海で何をするのでしょうか?
  6. サケ類を健全な海洋生態系の指標種と見なすならば、人工孵化放流による増殖は管理方策から除くべきです。これが持続的漁業には有効だとしても、海洋生態系の健全性の指標と見なすのは疑問です。放流魚も上位捕食者の餌になるかもしれませんが、餌付けによって維持した生態系が健全とはいえません。放流によってサケ類の資源量を維持するということを、この管理計画に盛り込む必要はないと思います。
  7. スケトウダラについては、ロシアとの共同管理について検討すると書いてもよいのではないでしょうか?
  8. 合意形成はもう少し詳しく書いたほうがよい。このままでは漁業が世界遺産に関心を持つ広範な市民の理解がないとできないようにもとれる。ただ、この点は今までよりは開かれた(面倒な)ものにしてはいかがでしょうか。

その他、マリンデブリスの言いかえ案など,細かい点を添付します(修正記録付き。日本語言い換え表現などについてはお任せします)