科研費基盤B 2年目の計画

Date: Wed, 19 Apr 2006 22:40:58 +0900
【研究分担者各位 交付申請書】を更新しました。以下の点【】をご確認ください。【】
生態系管理の順応的制御ルールに関する群集・空間生態学的研究
 成果のほうも昨年同様、ご協力宜しくお願い申し上げます。
 本年度(〜平成19年3月31日)の研究実施計画

  1. ヤクシカの生態系管理 ①過去の個体群動態の復元(松田):過去の捕獲量と個体数の増減傾向、それに自然増加率に関する基礎情報を元に、過去の激減期のシカの個体数を推定したH17年度の研究成果を取りまとめ,国際学会誌に投稿する.②シカの食害による植物の生態リスク評価(小池・酒井・松田):シカの餌種選好性のデータ及び屋久島の各区域の(普通種を含めた)植物分布,食痕情報からその区域での今後の希少種への食害程度を予測するモデルを構築する.2)
  2. 浮魚類の多魚種管理 ①スイッチング漁獲を適用した小型浮魚類の許容漁獲量決定ルールの提言(勝川・松田):H17年度に開発した許容漁獲量の多魚種順応的制御ルールを取りまとめて有識者委員会で提案する.また,現行のルールと提案したルールにおける資源変動,漁獲量を過去の小型浮魚類の資源動向を用いて比較する.②生態系モデルを用いた上位捕食者と小型浮魚類の順応的制御の研究(白木原・松田):食物網モデルを用いて,小型浮魚類の漁獲が鯨類を含む上位捕食者にどのような影響を与えるかを解析する.また,順応的な漁獲量制御ならびに捕鯨量制御が群集構造にどのような管理効果をもたらすかを群集動態モデルを用いて解析する.
  3. 海洋保護区の生態系管理 ①石西礁湖のオニヒトデ駆除計画での順応的管理(松田):H17年度に行った海洋保護区の面積と駆除努力に応じたオニヒトデ食害リスクモデルを用いて解析を進める.②知床世界遺産候補海域周辺の保護区面積の順応的制御ルールの開発(牧野・松田):H17年度に行った情報収集を受けて,H18年度に保護区面積に応じた群集動態の数理モデルを解析する.これには多くの不確実性を伴うが,それらを考慮した計算機実験を繰り返すことにより,順応的面積制御が有効に機能することをリスク評価によって吟味する.
  4. 淡水生態系の健全性の実験・モデル解析と実験系による検証(雨宮):実験系によるデータを解析し,数理モデルとの整合性を吟味し,健全性を判定する環境指標を提案する.また,順応的に「健全性」を維持できる人為的操作(バイオマニピュレーション)の手法を数理モデル解析によって開発する.