民間と公務員の格差

200X年X月X日*1
 今日もとっても豪勢なホテルだ(2万円する)。いつもはこうではない。なぜか、今回は民間の招待で旅行しているからだ。私のような教授を民間が宿の手配をするとこうなるのだろう。しかし大学の出張基底では、教授の標準的なホテル代では1万円しか出ないし、ビジネスクラスはおろか、エコノミーも格安チケット代しか出ない。自分が行くときだけでなく、外国のえらい教授(以前、70歳くらいの名誉教授を招くときも同じだった)を招くときもエコノミークラスしか出せない。公務員は本当に冷遇されていると思う。それでも、終電がなくなった後の深夜の居酒屋タクシーは批判され、マイルをためてビジネスクラスに変えることもかなわなくなってきた。せめて、マイルをためた航空券で無料の出張をする(この場合、領収書がないから原理的に旅費の着服は不可能である)とか、ビジネスクラスへのアップグレードくらいは認めてほしいものだ。本来なら、ビジネスクラスの旅費を出したって、何も問題ないと思うのだが。60歳過ぎた教授がエコノミークラスで世界を飛び回るなど、馬鹿げていると私は思う。
 霞ヶ関の公務員は本当に過労死している。地下鉄サリン事件のとき、早朝だったにもかかわらず多くの徹夜の公務員が救出に出てきて、被災した。私の知人の大学教授もたまたま霞ヶ関で徹夜していて、救出して被災したと聞いている。帰宅途中のビールさえ取り上げるとは、世論は厳しいね。これほど公務員は尊敬されていないのか。どうも、批判の矛先が違うような気がするね。航空会社にしても、タクシーにしても、儲かる得意先への経済行為に過ぎないのだが。

*1:過去の未公開書簡から加筆して掲載