上勝研究会のお礼

 遅れて参加させていただいたため、皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで、多くのことを学ばせていただきました。
 生態系サービスがストックではなくフローだということ、ありがとうございました(SGAを書く上できわめて重要)。ということは、本来はストックの解析も重要ですね。
 また、棚田の「丸い圃場整備」と言うのも始めて知りました。それを行政に説得するの逸話も貴重でした。
 3人の小さな博物館の創意工夫は新鮮でした。Local knowledgeを自律的に集約するWebダイジンガー(あとで、それを担ったPDが横浜国大出身者と聞きました)はわがCOEのホーム頁から参照させていただきます。キョロロの取り組みは素晴らしいですね。【】
 「環境と科学のフェスティバル」とは誰でも思いつきそうな企画ですが、Google検索すると滋賀県博物館の取り組みしか出てきません。これはすごいですね。コロンブスの卵。身近なところから等身大で始められる創意工夫こそ、最も重要なKeywordだと思いました。
 最後のアメリカのサケ保護の話は強烈でしたね。それまでの人の繋がりを模索する(敵も懲らしめるというよりは説得する=「天地人」の生き様)話を聞いたあとでは、自然保護をとことん要求する運動の話は辟易しました。先住民や沿岸漁民の権利などの側面を論じればもう少しよい面も見えてくるのでしょうが、自分が大切と思うもののため(それも、半世紀前から思っていたわけではなかろうに)ならば他人の価値観を全否定するような理屈にはついていけません。自然保護といっても、人間関係を大切にする人とそうでない人がいることも実感しました。
 保全生態学にもいろいろな役割があります。経済を論じるのもよいでしょうが、物づくりと人づくりが基本ですね。Carbon Creditのような擬似市場もよいが、そのために膨大な人数の大金持ちの金融業者の新たな仕事を創造する動きにもついていけません。彼らは今後当分の間「勝ち組」になるのでしょうが、「イワンの馬鹿」に出てくる悪魔の所業。私のやりたい(やるべき)研究は、それとは違うと感じました。