オジロワシの風力発電への衝突リスクの累積影響の許容限度

Date: Tue, 8 Nov 2016 15:56:33 +0900
【「風力発電の鳥衝突と希少猛禽類の絶滅リスク」と題する】企画集会を日本生態学会大会(早稲田大学)にて申請中です。
また、11月3-4日の個体群生態学会(札幌定山渓)において、以下の発表を行いました*1オジロワシの衝突リスクの累積的影響並びに許容限度について、多くの生態学者と議論することができました。
 留鳥と渡り鳥を区別しないということでしたら、自然増加率を9%とするとき、北海道全体でオジロワシの衝突死が年間25羽程度の発見まで許容されると私は思います(留鳥に限れば10羽程度)。発表の場で議論して実感したことは、今も個体数が増え続けていて、それがモニタリングできているということが説得力を増していたということです。自然増加率は不確実ですが(海外では19%という論文もあります)、減っていなければ、この算定根拠で大きな間違いはないと思っていただけたと思います。
 そのうちに、当たりやすい風車や気象条件、季節などが分かってくれば、さらに衝突を減らすことができると思います。今は、移動経路も餌場も回避率を同じように仮定していますが、餌場に比べて、道北のような移動経路上の風車は回避率が高いと考えられます。
 個体群学会では、サケの遡上時期の河川は餌場であるという議論もありました。その季節に稼働制限するなどすれば対処できるという議論になりました。
 風況のよいところならば、稼働制限しても、むしろ悪いところに比べて発電量は増えると思います。

*1:ここにPBRの案を置きました。想定される予防側と非予防側(事業者側)の意見も「想定問答」のように載せていますが、ご意見ありましたらお願いします。反映させていただきます。