狩猟者の殺気を、野生鳥獣は感じ取ることができるか。

特別インタビュー 羆撃ち 久保俊治(中編)|狩猟生活

以下を読むと、殺気というのは対象動物(狩猟者)から発せられる何かだけでなく、その周囲の鳥や虫も含めた総合的なものかもしれない。

 

――動物が寄ってこないということの関連ですが、著書のなかで、殺気が出ていて近所の犬が出てこなかったというのがありますが、当時はやはり殺気立っていたんですか?
はい。いまは、その殺気がなくなってきているから、かえって、楽に獲れるんでしょうね。自分が飼っていた犬によって、学んだこともあるのだと思います。

――弾を外してしまって、自分の所に向ってきたらどうしようって、ことを考えたのでしょうか?
れじゃ、鉄砲撃ちをするな、ですね(笑)。ヒグマは、人間をほとんど襲ってこなかったから、いままで生き残ってきたんです。冬眠もするし、単独ですし。エゾオオカミは群れだし、冬眠しないから、一気に滅びの道に進んだ。ヒグマが確実に人間を襲うとして、自分をエサにして待てばぜったいに獲れますが……でも、そうじゃないところがあるから、獲れないんですね。
 森にクマが潜むということは、すごいことなんですね、ある面で。直径15〜20㎝の倒木があったら、少し掘って、ピタッと伏せて、巨体を見せない。でも、そういうふうにしているときは、その周りの空気が違うんです、ポコっとそこだけ。
それが殺気なんでしょうね。その殺気によって、普通まわりにいるような、小さい鳥の声がしなくなる。そこで、あっ、そこだな、と私は目星をつけるわけです。