第1回における 松田の発言 は以下のとおり(赤字は誤植修正、太字は強調)
【松田委員】 まず、これは祓川さんの資料5の11枚目、12枚目あたりなんですけれども、まずアメリカの例に比べて風力発電によるバードストライクが少ないということはありますけれども、これは調査方法がまだ十分に統一されていないとか、そういう問題もあると思いますので、これは統一するようなガイドラインはやっぱりあったほうがいいかなと思います。
例えば12枚目を拝見しますと、オジロワシが2005年までで4例ですか、その後、合わせて7例ですけれども、ほかの衝突に比べてずっと少ないということがありまして、古南さんのほうからは希少猛禽類はほかのものに比べて1羽当たりの個体群への影響が大きいということがありましたけれども、ほかの要因と比べますとこれはかなり少ないというデータになっています。ただ、その場合、どのぐらい少ないのかということを検証したいんですけれども、それには、それぞれの当たっているやつが、例えば年齢がどのぐらいだとか、そういう基礎データがほんとうはいただきたい。ところが、オジロワシだけだと53例ですか、53例あるというのはこの論文にあるんですけれども、それ以上詳しいデータに当たれないという状況がありまして、私どものほうではこれ以上の解析ができない状態になっています。ですから、まず一番重要なのは生死ですね。それから年齢、せいぜい亜成鳥と成鳥の区別であるとか、発見場所であるとか、あとは、当然鉛中毒やその衝突に関しても全数がはっきり報告できているわけではなくて、発見率というのがそれぞれあるはずですので、死後何日たっているという大ざっぱな所見というものがそれぞれにないと、我々としても個体の生態学的な解析をやりようがないという状態がありますので、ぜひそういう情報を積極的に開示していただきたいですし、むしろ問い合わせ先みたいなものをちゃんと明確にしていただきたいと思います。
それから、同じバードストライクに関して、資料4の5枚目ですか、オジロワシ、北海道で7例当たっている。そのうち4例が苫前であるということなんですが、これは補足のご意見がありましたら教えていただきたいんですけど、これが渡りであるのか、そこのそ場の営巣個体であるのかというのも非常に重要な情報なんですけど、それもわからないんですね。これは多分DNAとか調べて、この4例がもし血縁であるとかそういうことがわかれば大分重要な情報になると思いますので、ぜひDNA解析などをさせていただきたいと思います。
あと、古南さんのほうから、むしろまじめに情報を開示している者ほどいじめられるというのはよくないということで、むしろ前向きな例として紹介していただいたというふうに発言いただいて、ほんとうにありがとうございます。今の古南さんの発言を聞くと、多分事業者側も大分意欲がわいてくるんじゃないかと思います。それはこの場にいる人しかわからないことで、もっとそういうふうにむしろ前向きに取り組んでいる人ほどほめるという体制がないと、むしろマスコミなんかは完全に逆になっていると思いますので、ほめるという体質をつくるには、やはりそういうふうにいい調査をやって、いい合意形成を図っている事業者などには、例えばですけど、環境大臣賞を与えるとか、そういうような積極的なポジティブ・インセンティブもぜひご考慮いただきたいと思います。
以上です。
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【星野野生生物課長】 先ほどご質問ありましたオジロワシのデータの件ですけれども、環境省の地方事務所で解剖した結果もありますので、それは別途紹介して、またご報告させていただきます。
【松田委員】 お願いします。