風発の鳥衝突問題をめぐる最近の議論

Date: Thu, 27 Apr 2006 14:06:18 +0900 (JST)
○○さん【以下、一部抜粋、改変】*1
「飛ぶ鳥を落とす風車」(週刊金曜日2006年4月号604:40-42)拝見しました。【この記事は】私の基準では不合格ですね。

  1. 「(事業者と)保全生物学者との隔たりは大きい」と書いて白木彩子さんの意見を載せているが、彼女だけが保全生物学者ではない。私などは保全生物学者でないと判定されたのかもしれませんが、保全生物学者にもさまざまな意見があることを知らなかったとは思えませんね。知らなかったとすれば、著者の専門性を疑います。知っていてこう表現したとすれば、著者のライターとしての責任性を疑います。*2
  2. 鳥衝突だけでなく「生息地喪失問題にほとんど注意が払われてこなかった」と書いていますが、生息地保全措置は著者が取材した宗谷でもやっているはずです。それが不十分だと言いたいならそう書けばよいのです。見てこなかったのでしょうか。
  3. オジロワシオオワシの事故原因として、自動車・電車・電線等への衝突事故に比べ風車への衝突は非常に少ないという認識は、鳥学者の間でも定着しつつあると聞いています。狩猟弾による鉛中毒のほうが風発での衝突死よりはるかに多い。【】この取材では、その片鱗すらうかがうことはできませんね。

 私は、風が強い【場所】と鳥の飛翔経路はかなり強い相関があると思いますが、風が強くて鳥がこない場所に立てようと提案するならば、そのような場所を教えていただきたい。【】検討すべきでしょう。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20060501に続編

*2:2005-04-29 風力発電における鳥衝突死のリスクとはhttp://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20050429