科学者と環境コンサルタントの役割

Date: Fri, 23 Dec 2005 01:12:43 +1200
皆さん いま、研究室忘年会を抜け出して新幹線にて○○に移動中。明日は○○ダム予定地視察(こんな機会は滅多にない)。豪雪の中、本当に視察できるのか。今朝まで札幌(知床海域WG)。明日深夜に帰京し、明後日は石垣で石西礁湖打合せ。あー。
 ○○さんには先日【猿害問題について】お話いただきましたが、【】生態学(被害)・社会学(獣害)の乖離というより、経済学と社会学の較差かもしれませんね。生態学は、両方に関係しないといけない。結局は人間の価値観の問題といっているのですから、経済だけでは測れません。【】
 20日に東大文学部の演習で、実は江戸時代から30年ごとに諫早の干潟に堆積物がたまって新たな干拓を繰り返してきたと【地先干拓について】○○さんに伺いました。水門開放は解にならないとも。【】
 はい、○○さんのいう「今までは、「環境」を標榜する自然科学者だけが、まるでその社会的責任を問われることなく、いつも、正義の味方みたいな形で受け止められてきたと思います。「環境」を標榜する自然科学者は、今後ますます、その社会的責任を問われるだろうということを述べておきます」というのは至言だと思います。まだ環境団体が弱かった頃は折衝能力がなかった。そのときは反対勢力として世論に訴えるしかなかった。けれども、解を提示できる能力がある程度身に付いた今は、対案を提示する責任が生じつつあります。【】
 前も言ったかもしれませんが、愛知万博で、オオタカ出現後に万博として保全を図った場所が依然として跡地利用計画の造成対象だったとき、環境コンサルは愛知県に跡地利用計画のアセス評価書を出すのを渋ったと聞いています。その後愛知万博の環境影響評価でも、ずっと事業者を弁護していたように見えるある中心人物(権威)が、一度だけ、かなり感情的に「(松田の指摘は)よくわかる」と発言したことがあります(議事要旨ではわからない*1)。その後外圧で情勢が変わったときに、彼はテレビで跡地利用計画中止に積極的な発言を行いました。

*1:われわれは新住事業に意見できる立場にはないが、新住事業と博覧会事業とは関連しているので、新住事業とも十分な連携をとっていただきたい。