米牛肉脊柱混入:報告書 は別の意味でほめてよい。

Date: Mon, 6 Mar 2006 07:29:26 +0900
【】関係各位
毎日新聞 2006年3月3日【】の記事「米牛肉脊柱混入:報告書の日本語訳は疑問が残る内容」http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060304k0000m040065000c.htmlによれば、この報告書(和訳が問題ではなく、報告書の中身の問題だろう)には以下のことが書かれているという。

  • 肉の輸出許可を出した米農務省食品衛生検査局のワイ・オア消費者安全検査担当職員は、肉の詰まった41箱のうち4箱しか検査しなかった
  • オア氏は「日本向け輸出規定は知らなかった。規定についての教育は受けていない」「肉が輸出規定に合うかの確認は、公衆衛生獣医務官の仕事だと思った」などと証言ケイス・ウィルス公衆衛生獣医務官は「私の仕事は書類のチェック。現場は見ない」と話し、責任の押し付け合いとなっている。ウィルス氏も輸出規定を知らなかったという。
  • ゴ社は「農務省農業販売促進局の係官から、脊柱は除去しなくてよいと言われた」と主張。係官は「除去は必要だと伝えた」と言い、ここでも対立している。
  • これらの内容に、厚生労働、農林水産の両省は「あまりにずさん」とあきれ、報告書は不十分だと指摘する。

 さて、この報告書は不十分だろうか。 不十分なのは報告書ではなく、米国の検査体制そのものである。
 全頭検査が必要かどうかが問題ではない。【仮に全頭検査が不要でも、背骨などの危険部位はすべて除去するというのが日本の安全策であり、この見直しは提案されていないと思う。】規則を守る姿勢が存在しないことが問題なのである。これは日米間の明確な約束違反である。上記を見る限り、事前に報道されたような(単独の)「きわめて特異な」誤りが原因ではなく、いくつものずさんな体制により背骨が混入したことが伺われる。このような「過ち」が十分な検査体制にもかかわらず偶然の連鎖によって起こるという確率は、それこそ「きわめて特異」なことであり、日常的に検査体制がずさんであるということを証明している。【改めるべきは報告書ではなく、米国の検査体制である。米国は体制自体には問題はないと言っているのだから、輸入禁止は継続すべきだろう。たとえ全頭検査を日本でもやめるとしても、危険部位は除去され続けるはずである。米国は、全頭検査以外でも、日本の安全基準を満たしていない】
 しかし、この報告書報道が事実とすれば、このように真実をまとめる報告書を作る態度は賞賛すべきである。日本なら、恥ずかしくてすぐには出せないものだ。報告書作りの体制は見習うべきだろう。