世界から寿司が消える?

Date: Thu, 4 May 2006 13:31:15 +0900
○○さま c○○様
Charls Clover著「飽食の海:世界からSUSHIが消える日」(岩波書店)の書評を【】依頼されました。【】引き受けることにしました。まだ読んでいませんが、 「乱獲は今や世界的な問題だが、これをグローバルな視野で検証しようと思い立ち、書いた」本だが、「私の視野は北欧というローカルなもので、北欧人の態度や政治によって形成されている。だから、私の見解やテーマが、日本の読者にショックを与えたり・・・ときには無知に映ることがあるかもしれない」と日本語版序文で著者が書いている通り、ちょっと注意が必要ですね。
 しかし、問題は邦題です。原題は"The end of the line: How overfishing is changing the world and what we eat"であり、世界からSUSHI(なぜローマ字なのか)が消えるとは書いていません。この原題は「延縄漁業の終わり」という【掛け言葉】でしょうかね? 今、世界中ですし屋は増えていると思います。一昔前まで、日本人はraw fishを食べるのか、本当かと米国で聞かれたものでした。
 この邦題を誰がつけたのかが問題ですね。【】日本ではグルメブームで、高級魚を食べることは美徳でこそあれ、批判されないと言っていますが、私は日本ほど健康番組の多い国はないと偏見を持っています。長寿美食漫画である「美味しんぼ」は、まさに環境と健康を説いている。訳者はそれを知らないのでしょうか?
 資源状態などに応じて、食べてよい魚と悪い魚を分けています。 この本に載っているのと出典は違いますが、http://www.blueocean.org/Seafood/にも載っています。【】
 たしかに、寿司ネタのいくつかは乱獲で減っているし、クジラのように見せしめの対象となり、将来消える(CITES付属書に載る)でしょう。しかし、だから寿司が消えるわけではありません。 
 あるいは、SUSHIネタが日本とは違って、マグロやカニばかりなのでしょうか?たとえばバンクーバのすし屋の寿司ネタには、イカイワシはありませんか?
 世界の寿司レストランの店舗数の年次変化のような情報はあるでしょうか?私は、世界から寿司が消えるとは思っていません。
5月5日 
 黄金週間直前に、通信社から書評依頼あり。Charls Clover著「飽食の海:世界からSUSHIが消える日」[岩波書店]だ。これも「海が壊れる」扇動の一つ。著者は英国人だが、魚食=美食で環境志向がないようなことを書いているので、雁屋哲美味しんぼ」の英訳がないか探してみたが、今のところなさそうだ。代わりに、以下のサイトを発見した。
http://home8.highway.ne.jp/galzo/manga/oisinbo01.htm
美味しんぼ海原雄山解剖学①−⑤」これは爆笑物の面白さ。【】あなたが「美味しんぼ」愛読者なら、ぜひ一読をお勧めする。それに比べて、PRWEBに載っているhttp://prweb.org/data/03521.htm美味しんぼがまたまた反環境宣伝」は説得力も頓知も確信も何もない。正直なだけが取り柄ですが、結論(賛否)を決めてから理由や根拠を考える典型でしょう。