Fishing down「漁業下落」の末路

Date: Mon, 8 May 2006 08:56:39 +0900
○○さん、○○さん (「先生」ではなく、「さん」でお願いします。)

記事からの印象としては、問題に対する危機感をあおり、可もなく不可もない解決法(ここではlong term ITQやMPA)を提示する一般的な啓蒙書といったところでしょうか。

 ITQ【譲渡可能個人漁獲割当量】ってそんなによいものですかね。遠洋、沖合で有効だとしても、沿岸漁業で有効とは思っていません。MPA【海洋保護区】は必ずしもNo-Take-Zoneである必要はないと思います。
【】ジャーナリストが扇動的な表現を好むのはある程度仕方ない。学者はそれを戒めるのも当然。しかし、学者自身が扇動するのはどうですかね。【】
 いずれにしても、Fishing Downは10年後には忘れ去られるでしょう。漁獲物では栄養段階は低いほうが良い。この指標は健全な漁業の指標ではない。漁獲物の栄養段階は必ずしも海洋生態系の平均栄養段階を反映していない。 そして、anchovy sardineは豊漁期には獲りきれないほど増える(あれを全部食用にできたら、食糧問題にかなり貢献できると思います)。その漁獲量によって、平均栄養段階は大きく変わります。小型浮魚の減少を乱獲だと勘違いしている人がいまだにいる。
 6月にはDougButterworthとたぶん一緒で、国連UNCLOS非公式会議でNY、その足で、あのRansom Myersに招かれてアイスランドでCensus of Marine Lifeに参加します。