中西裁判

○○さん、皆さん
 中西裁判のサイトを久しぶりに見てみました。そこには末尾のような原告本人の答弁があります。提訴のときに原告代理弁護人のプレスリリースで中西氏は「環境ホルモン問題は終わった」と考えておられるようであるが、これは大変な間違いである」。「松井氏は、研究者として、国民の一人として、中西氏のこのような誤りを断じて見過ごすことはできないものと考え、貴重な研究時間を割いて、敢えて本件提訴に踏み切った」と書いているが、それには同調していないのですね。
 下記の2006年10月27日の証人調書によると、「被告(反訴原告)を教育するために起こすということなんでしょうか。被告(反訴原告)の考え方を改めさせると」との尋問に「いや,それは主張です,私の。それは,私の主張です」と答えながら、直後に「いや,裁判の目的は,これは名誉毀損ですね」と答えている。字義通りに解釈すれば、相手の考えを改めさせたいと原告自身が考えているが、それを裁判の目的としたのは代理人のプレスリリースであって、原告自身は改めさせることまでは目的とはせず、あくまで名誉毀損が目的と述べていることになります。このプレスリリースで原告代理人は、「本件は、決して、松井氏が個人的な名誉回復だけを求めて提訴したものではない」と明言しています。
 本音が見え透いていても建前が別のことは多いけれど、これはあからさまです。代理人自身がプレスリリースで言っているのだから。
 今月ある出版社の委員会にでて、以前出版した環境ホルモン関係の本の売れ行きが報告されたとき、ある学者が「もう少し早く出せばよかった。(このブームは?)もう終わった」と言っていました。流行廃りが激しすぎるのは活字の悪い癖だと思います。

  • 【被告(反訴原告)代理人】弘中 本件の提訴をするときの記者会見ということは,その内容はご存じですか。
  • 【原告(反訴被告)】松井 ええ,知っております。
  • 弘中 【乙第6号証を示す】このプレスリリースというのは,記者会見のときまでにご存じでしたか。
  • 松井 いや,記者会見の当日にこれは知りました。
  • 弘中 そこで,終わりのほうですが,環境ホルモン問題は終わったという誤った考え方を断じて見過ごさないで,あえて提訴したという言葉を使っていますが,それは原告(反訴被告)もそういう意識なんですか。
  • 松井 これは代理人の方が作られた文章ですから,ちょっと私の文章とは違いますね。
  • 弘中 文章の細かい字句は別にしても,提訴の目的が代理人と原告(反訴被告)とで同じだったのか,違うのか。
  • 松井 私は,環境ホルモンの研究は,まだ必要だという立場でございますが。
  • 弘中 ですから,そこにあるような,被告の誤った考え方を断じて見過ごせないと。
  • 松井 ですから,環境ホルモンの研究はする必要ないというお考えだったら,それは私は認められないことです。
  • 弘中 被告(反訴原告)を教育するために起こすということなんでしょうか。被告(反訴原告)の考え方を改めさせると。
  • 松井 いや,それは主張です,私の。それは,私の主張です。
  • 弘中 それが主張であり,そういう目的,考えのもとに提訴されたというふうに考えていいんです。
  • 松井 いや,裁判の目的は,これは名誉毀損ですね。
  • 弘中 今示したとおり,どうして相手を提訴したのかということをお書きになっているから,それは原告(反訴被告)… 。
  • 松井 ですから,この文章は,代理人の方がお書きになった文章ですということです。
  • 弘中 そこに示されてる考え方は,原告(反訴被告)と同じなんですか,違うんですか。
  • 松井 共通するものがあるということです。
  • 弘中 どういう点が共通するんですか。
  • 松井 環境ホルモンの研究が必要だという点では共通性があります。
  • 弘中 誤った被告(反訴原告)の考え方を見過ごせないということまではお考えになってなかったということですか。
  • 松井 うん,この辺は微妙に違うと思いますね。