説得力が増している

Date: Tue, 20 Feb 2007 10:40:09 +0900
 いつもありがとうございます。田中宇さんhttp://tanakanews.com/というのは初めて見ましたが、なかなか他では見えない主張を書いていますね。
 IPCCの温暖化の主張は将来予想についてはたしかに誇張された面があるように感じるけれど、今まで何が起きてきたかについては、生物多様性(IUCN)に比べればずっと科学的、冷静、慎重だと私は思います。【】
 気候変動の全貌に未解明の部分があるということと、だから温暖化が人為起源かどうかわからないということは別のことです。未解明の部分は多々ありますが、人為活動による全地球的なCO2増大は確かなことであり、CO2増大が最近の地球温暖化と相関があるというのは、十分説得力があることです。
 トンデモ論文の10に9はごみです。しかし、10に1つは宝石があると思っています。問題は、その真贋を見極める才能と体制です。【】さまざまな分野での真贋をどうやって見極めているのか、よくわからないですね。一人で判断できないことは明らかです。【】
Date: Tue, 20 Feb 2007 11:27:04 +0900

田中宇さんhttp://tanakanews.com/070220warming.htmより抜粋

  1. ゴアの映画の前提である「6メートルの海面上昇」は、80年代の古い数字をあえて今も使うことで成り立っている。今では否定されている昔の数字を使わないと、扇動的な内容に仕立てられないのである。
  2. 温暖化で世界中の氷が溶けているかのような話になっているが、北極圏の氷は溶けているものの、南極圏南氷洋)の氷は1978年から現在までの間に8%増えている。世界の温度を最も正確に計っているのは、アメリカの気象衛星だが、その測定値は、99年以来、上下はあるものの、全体としての平均温度の傾向はほとんど横ばいである。 http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/article1363818.ece
  3. IPCCは、90年、95年、01年と、後の報告書になるほど温暖化を深刻に描いているが、その方向は、07年の報告書の本文では初めて逆転し、深刻さを軽減する方向になっているということだ。それなのに、2月に発表された報告書の概要版では、5月発表予定の本文とは全く逆に、温暖化は以前に考えていたよりはるかに深刻だ、という方向性になっている。これは、ほとんど詐欺である。

松田の反応:

  1. 6mはわざと誇張した可能性がある。
  2. 事実として、1990年代以降は今までにないほどの高温が、連続して何年も生じている。1回や2回なら変動の範囲だが、繰り返し生じることで温暖化を実証している。99年以降にさらにあがっているかどうかが問題ではないと思う。
  3. 私は今までかなり温暖化には慎重な(シニカルな)方でしたし、将来予想については不確実性が高いと思います。しかし、温暖化がますます深刻とわかったということではなく、温暖化の確度はますます証明されつつあると思います。今までより誇張が少ないのはよいことです。大切なのは、本当に温暖化がおきているという説得力が増していることです。