2015.7.14北海道エゾシカ検討会での発言

松田委員:今、【】ご指摘がありました、平成10年から12年ぐらいにかけての減少と、今後のことも比較するということが極めて重要だと思います。
実は、日本生態学会編の生態学入門という教科書には、このエゾシカの12年までの減少を成功例として未だに記述が書かれています。その記述が見直される前に、我々はさらに成功したという、さらの成功の実例をもって、その修正を防ぐということがやはり求められていると思います。
これは、むしろ、北海道ではかなり認識されていて、まだ他県ではそうでもないというのが、総捕獲数ではなく、メスジカの捕獲数が重要だという点です。これは、ぜひ、ここにメスジカの捕獲数だけで書いてあるという点も注目していただきたいと思います。
もちろん、いわゆる有害鳥獣駆除という点では、オスジカであろうと害獣は害獣であるということで駆除すべきなのですが、個体数調整という観点から見ますとメスジカを獲らなければ、そのメスジカが子供を産むわけで、オスジカが減ってもメスジカは妊娠して子供を産むという点を重々考えながら、メスジカの捕獲数に資料を合わせていただきたいと思います。
今【】のお話にもありましたように、その場合、狩猟と許可捕獲があります。今、ここで、許可捕獲の数を去年に対して、さらに明示するという形で付け加えたわけですが、狩猟が同じように獲れるといいますか、そういう認識があって初めてこれが成り立ちます。しかし、個体数が本当に減ってくれば狩猟で獲れる数は、むしろ減ると考えるのが自然です。【】むしろ、この頭数だけ獲れば、もういいというものではないという点は、これも重々認識していただきたいと思います。

松田委員:一つは、今、鳥獣保護管理法の改定ということに連動した議論がされていなかったような気がいたします。1998年に道東地域エゾシカ保護管理計画を導入したころは、北海道は、まさにアジアのと、言ってもいいと思うのですが、最先端の自治体として、この管理計画、フィードバック管理に取り組んでいたということです。今、指数が50以下というふうに達成された後の方針転換の方法とか、本当は綿密に組まれた上でこれをやっているのですが、今、まだそこを議論する暇が無いという情けない状態です。
再来週、国際野生動物管理学会があります。本当は、その場のプレナリーなどでエゾシカ管理計画を輝かしい成功例として世界に紹介したかったというのが私の思いです。しかし、残念ながら、現状はそうなっていないということがあります。
もう一つは、鳥獣保護管理法で捕獲専門家の制度が導入されたのですけれども、北海道においては、残念ながら、その制度が今日の議論の中でほとんど出てきていないということがありますように、実は、それがまだ有効に使われていないという現状があります。今後、こういう現状を踏まえながら体制を整えていきたいと思っております。
この資料の最後に、参考資料として捕獲数が付いております。この捕獲数の推移は先ほど申しましたけれども、ここはオス・メス別ではなくて総数で書かれております。
先ほど申しましたように、減ってきたら狩猟は減って、現実に東部も西部も少しずつ減っておりますが、実はメスジカの捕獲数はこれ以上に減っているところがあります。【】