Date: Tue, 31 Jul 2007 21:53:16 +0900
【(今回の中越沖地震によるイタリアサッカーチームの来日取りやめなどの動きに対して)所沢のダイオキシン騒動やBSEの問題と同様の図式が見えるということか。(短期的な)リスクは大きくないにもかかわらず、これをことさら問題視することがゼロリスク的なナイーブな反応を引き出し、結果的に別の形で被害者を生み出してしまうという質問に対して】はい。だいたいそういうことです。
環境保護が差別を生むというのは、よく言われることだと思います。しかし、所沢【ダイオキシン報道】も、BSEも、そして今回の件も、それにはあたらないという見解があるのだと思っています。
【イタリアサッカーチームが来日しなくても、それほど大きな娯楽の喪失ではないのではないかという意見に対して。】これはサッカーを楽しむということでしょう。今、世界中は被災者を被曝者と「誤解」していると思います。今後、世界で被災者が挨拶したときに、外国人が中越沖地震を記憶していれば、おそらく被曝者と記憶されているでしょう。新潟はご承知のように地元サッカーチームの観客動員力は(浦和と並んで)日本最高水準です。被災者にどれだけサッカーファンがいるかわかりませんが、これは傷を残すと思いました。
【きちんと説明しても、場合によってはゼロリスク的な反応を喚起してしまうのではないかという心配はつきまとうのではという質問に対して】まさに、寝た子を起こす【なという】差別の構図そのものだと私は思います。関係者が冷静に、今回はそんなことはないといえば、それで済む話でしょうが、実際にはそうなっていません。*1
*1:原発の被災は「貴重な実験」、新潟県原発技術委員が辞任http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070804/wdi070804000.htm平成19 年7 月19 日 新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の安全性について 原子力安全委員会委員長 鈴木篤之http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/kouenroku/070719.pdf