祝 「石垣方言辞典」著者宮城信勇様「吉川英治文化賞」

 手前味噌だが、私の義理の伯父(伯母のつれあい)である宮城信勇氏が吉川英治文化賞を受賞した。4月11日に東京の帝国ホテルで贈呈式があったそうだ。八重山の方言がなくなりつつあることに危機感を持ち、彼の母親の宮城文さんとともに石垣方言辞典を編纂した。本文1247頁、文法索引344頁、収録語数17600という大著だ。私も一冊持っている。石垣の研究所などにもそろえてほしいと頼んだが、税金で研究所に買う理由がないと断られてしまった。地域の言葉を知ることは、地域の漁業にもきっと役立つはずだと思うのだが。この賞をきっかけに、八重山の言葉の寿命が延びるかもしれない。
 私の母も石垣で生まれた。私が石垣を初めて訪れたのは34歳の時だったと思う。この5年ほど、オニヒトデの個体群管理モデルを開発するために毎年石垣を訪ねている。生物の多様性が失われるだけでなく、言語や文化の多様性も急激に失われつつある。ユネスコはそのことにも注意を喚起している。文化の多様性を守ることは、生物の多様性に劣らず重要なことである。*1

*1:Convention on the Protection and Promotion of the Diversity of Cultural Expressions 2005 http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=31038&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html