Date: Thu, 18 Feb 2010 10:36:58 +0900
石油と海外の生態系サービス(ES)の収奪に永久に依存できるなら、現在の人間の福利HWBも悪くとはいえないと私は思います。ESとHWBの関係はミレニアム生態系評価(MA)で論じるべきだが、前者(石油)はどう論じればよいのか。普通に考えれば、日本のES(による生産量)は落ちているが、それは基盤Sの低下のせいではなく石油依存(たとえば燃料)と海外依存(食料など)である。調整Sは損なわれているが、どちらかといえばダム建設などで洪水を制御したトレードオフでほかの基盤S、調整Sが損なわれていて、洪水自身はダムで減っている。文化SはES依存から大きく変貌しつつある(ほかの先進国より変貌は少ないと思いますが)。しかし、石油と海外ESがある現状では、日本のHWBは低下しているとはいえない。海外ESを保全することが生物多様性条約(CBD)での急務であり、石油文面からの脱却は気候変動を抜きにしても今世紀中には必須である。その変化に備える能力が失われつつあると懸念される。
たとえば上記のような理解が考えられます。それを示すのに、MAの構図(間接要因、直接要因、ES、HWB)はあまり有効ではないと思います。MAの構図は乱獲してESが使えなくてHWBが損なわれると言う図式にしか当てはまらない。本当に、ほかの先進国や途上国では有効だったのか。たしかに日本が一番Underuseによる生物多様性の第二の危機が顕著だろうが、その矛盾は他国にもある普遍的なものだと思います。