IQ,ITQ制度導入論を支持する

Date: Sun, 16 Nov 2008 00:38:05 +0900
【「みなと新聞」の記事http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2008/11/post_419.htmlは 有識者会議の実態を正しく伝えていないという意見に対して】
 その後、【有識者会議の】議事要旨を読み直してみましたが、この記事を否定するような根拠は見当たりません。根拠を示すことがたいせつです。
 何度も言いますが、漁業権がすぐに見直されるとは私は思いません。それに対して、IQやITQは、もしも【上記報道に反して導入に前向きな意見があるというのが】本当ならばなおのこと、これから実際に適用されるだろうものです。どちらが喫緊の課題かは明らかだと思います。

Date: Sun, 16 Nov 2008 21:45:07 +0900
 全てかゼロかという不毛な論議ではなく、どんなものにはなぜ導入して、他のものにはなぜ導入すべきではないかを具体的に議論することがたいせつです。もちろん、有識者検討会でもそうなっていると思いますが、結論や議事要旨になるととたんにそれが見えなくなる。資料を見るのと議事要旨を見るのではだいぶ印象が違います。
 有識者会議自体が玉虫色です。間違いなく舵を切らないといけません。ただし、もう戻れない程度に勝って、勝ちすぎないことが(たぶん)たいせつでしょう。

Date: Mon, 17 Nov 2008 17:23:35 +0900
 「彼が知らない事情も世の中に存在するという想像力が欲しいです」というのは、そのとおりでしょう。これは私も肝に銘じておきます。しかし、歯切れが悪くて何も変えられない学者よりはましだと私は思います。
 私は、「(海外のITQ制度の)単純な模倣はあまりに危険」という言い方が現状では導入にも改善にも繋がらないと思っているだけです。

明治維新・文明開化を指導した西郷隆盛は後に、「廣く各国の制度を採り開明に進まんとならば、先づ我が国の本体を居え風教を張り、然して後徐かに彼の長所を斟酌するもの・・・猥(みだ)りに彼に倣いなば、・・・終に彼の制を受くるに至らんとす」と指摘しています(西郷南州遺訓)。

 いいですね(昨日も篤姫見ました)。魚種交替する浮魚資源(要するに、まき網)については、ITQがよいと思います。【マイワシやマサバの資源管理の必要性について、漁業者を】さんざん説得してもほとんど変らなかった。少なくとも、ITQ導入の危機感がなければ、彼らは対案すら出さないでしょう。私はもともと漁業国有化論ですから、プール制でもいいです。サクラエビはうまく行った。しかし、【国有化は】ITQより合意が遠いと思います。
 IQにしろITQにしろ、自主的に決めたものを政府が追認すると言う。そこに、有識者委員会に諮問して、漁業者だけでなく、他の利害関係者の論理も入れるようにしたいと思います。そうでなければ、生態系管理の趣旨にも、独禁法の趣旨にも沿わないと思います。

Date: Thu, 20 Nov 2008 14:17:59 +0900
 もちろん、自主的IQ,ITQなどでは役に立たない【。強制力を持った法制度としての導入が必要】と言うなら、今の流れでは全く足りません。わたしは自主的導入でもよいと思いますが。