愛知県のカワウ報道について

Date: Sat, 13 Nov 2010 12:08:48 +0900
滋賀県のカワウ対策事業では】大量捕獲を進めていますが、おかげさまで竹生島の植生が少し回復し、漁業被害の苦情も全体としては減ったようです。しかし、竹生島の対岸の葛篭尾崎など新たなコロニーができ始めるなど、問題は山積です。
 「カワウは放置してもこれ以上増えない」とか「そもそも放流アユのような餌があるから増えるのだ」(この二つは逆向きの意見ですが、とって減らすことに反対する意見です)という意見もありますが、現に竹生島の森林は糞害などで壊滅寸前で、追い払っても餌がある限り、コロニーを移動させて数は減らないだろうという点では、反対する方とも意見は一致していると思っています。
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20101028
3日前(11月8日)の産経オンラインで、「滋賀県のカワウ駆除要請、愛知県が拒否」という記事が掲載されました。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101108/trd1011082201012-n1.htm
 上記記事に”カワウのフンを肥料にして高額で販売。収入源として一時は禁漁区を設けて保護し、「金を運ぶ鳥」とまで言われた。”とありました。聞けば、1960年代まで利用していたとのこと。肥料としての利用を再開できるとよいですね。リンはこれから足りなくなります。すぐに採算は取れないかもしれませんが、再利用するのはたいへんよいことだと思います。
 しかし、それとカワウを駆除しないことは別のことです。
 竹生島の住職さんが言うとおり、ものには程があります。何も絶滅させようとしているのではない。増えすぎたから獲ってほしいと言うことです。
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20080312
 しかし、報道はしばしば不正確です。いったいどのように考えられているのか【】、また、誰にどう説明すればよいのか、率直なご意見を教えていただければ幸いです。

Date: Sat, 13 Nov 2010 11:23:51 +0900
 愛知県は循環型社会の最先進県です。今後のリンの重要性は理解されるでしょう。
 竹生島から追い出しても、【愛知県に移動するのではなく】同じ餌場の近くにコロニーを作ると思います。そして、滋賀県から愛知県まで、季節移動は広域に起こります。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/CBD2000EA.html
・生態系アプローチ(CBD COP5決議)
原則3 生態系管理者は、近隣および他の生態系に対する彼らの活動の(実際の、若しくは潜在的な)波及効果を考慮すべきである
原則4  管理によって得られる潜在的な利益を考慮しつつ、経済的な文脈において生態系を理解し管理することが一般に求められる。そのような生態系管理プログラムは、いずれも、以下の点を含むべきである。
(a)  生物多様性に不利な影響をもたらす市場のゆがみを軽減すべきこと、
(b)  生物多様性保全と持続的利用を促進するためのインセンティブを付与すべきこと、
(c)  実行可能な範囲で、対象とする生態系における費用と便益の内部化をはかること。