危機管理としての福島原発

Date: Sun, 13 Mar 2011 09:46:34 +0900
 原発については、今朝の朝日新聞がよく書けていると思います【】。仰るように、被曝は既に起きています。今回はJBO燃料漏れ並みという判断がありますが、「チェルノブイリ以下(未満)、スリーマイル島(TMI)以上」という朝日の論評が比較的冷静でしょう*1炉心溶融が起きただろうといわれています。そして、原子炉が爆発したチェルノブイリのような「最悪の事態」を避けるために、あえて水蒸気を逃がし(被曝覚悟)、海水を注入した(「廃炉覚悟」毎日新聞)。 建屋が「最後の砦」というのは一部投書にある不適当な比喩で、当然、最後の砦は格納炉です。「外堀がなくなった」が正確でしょう。これも朝日の記事のとおり、まだ、最悪の事態が避けられるかどうかはわかりませんが、望みはあります。政府の対処と情報開示は完璧とはいえないが、それほど悪くはないと思います。自分ならもっとうまく対処するとは言えません。むしろ、あえて蒸気と放射能を逃がし、廃炉覚悟で海水を注いだのはとっさの判断で勇気ある決断と思います。もっと早くとか、ちゃんと説明をと外部から言うのは簡単ですが、当事者に完璧を求めることは不可能です。
 外側で(TMIよりも)もっとずっと大きな被害が起き、生存限界にある未救出の被害者が大勢いる中で、平時と同じ安全基準を犯したかどうかを報道しているほうがおかしい。(この点は、対応する政府に対しても不満はあります)
 正確に報道することは報道の役割です。朝日のこの記事は良かったと思います。

Date: Mon, 14 Mar 2011 13:18:59 +0900
【】 今回の事故は、主電源の停電に備えた予備電源が、津波で使えなくなったために起きたこと。5mの津波までしか耐えられない位置にあったらしい。首相が「想定外」というのはそのこともあるでしょう。
 予備電源のリスク管理はまずかったと思うが、その後の対処は、むしろ、想定外のことに対して冷静にうまくやっているほうだと思います。外野から批判することはいくらでもできるが、【3号機の】水素爆発覚悟という作業はぎりぎりの選択です。
 原発の外では、72時間を経過して【未救出の】かたがたが【おおぜい】いるのです。基準値を超えたかどうかなど、【それに比べれば】大きな問題ではない。
 しかし、今後、日本は原発政策を見直すと期待します。それに耐えられるかどうかは、この部分停電の窮乏生活を乗り切れるかどうか、企業やマンションが自家発電をとりいれるかどうか、再生エネルギーの本格導入できるかにかかっていると思います。
 このままでは、【】三陸漁村は廃村の危機にある。これをどうするか、復興政策をそろそろ準備しないといけない。
Date: Tue, 15 Mar 2011 08:55:46 +0900
 数年間?は、電力は100%回復しないでしょう。東京は図らずも、壮大な環境負荷低減の実践を迫られているのでしょう。解決するまでは今回の事故を批判するつもりはないが、原発政策も見直されるでしょう。

*1:3月13日時点ではIAEAの評価ではレベル4でJCO並みでしたが、今は明らかにレベル5かそれ以上です