民主党にとって、解散は早すぎたのか?

 総選挙で民主党が惨敗した。閣議では落選した閣僚から、もっと総選挙を遅らせるべきだったという声が出たという。
 果たしてそうだろうか。総選挙をすれば下野することは目に見えていたが、もっと早くやれば、少なくとも自公の議席数が2/3に達せず、自公民の連立もありえたのではないか。ずっとそう思っていた。第3極の体制が整わないうちにやったほうが、民主党にとっては負けが少なかったと思う。さらに遅らせれば、民主党は第3党以下に転落しただろう。
 さらに言えば、なぜ、自民党が総裁選を行うときに解散しなかったのだろうか。あの時期、当時の谷垣総裁が立候補すらできない事態に追い込まれていた。
 谷垣さんの再選のめどが立たなくなったのは、9月3日に古賀さんが支援を拒んだときだろうか。それから新総裁が両院議員総会の「逆転」できまる9月26日まで、自民党は誰が総裁になるのかわからなかった。総選挙は解散から投票まで約1カ月(今回は11.16解散。12.16総選挙)。たとえば9月4日から谷垣さんが総裁選出馬を断念する10日の間に解散すれば、自民党は大混乱に陥ったはずだ。あるいは10日の直後に解散してもよかった。これは下野した場合に、どちらを首相にしたいと民主党が考えるかによる。
 これを指摘する報道がないのは、どうしてだろうか。これは禁じ手だろうか。民主党自民党福田政権時代にやってきたこと(たとえば小沢さんが大連立を内諾したのにご破算にしたこと。ねじれ国会なのに協力せずに政治を混乱させ続けたこと)に比べて、それほど「卑怯」とは思わない。近いうちに解散する大義があったはずだ。